この記事は「データベーススペシャリスト資格に興味はあるが、どのようなものか?どう学ぶのか?」という方向けに、具体的な内容と私自身の挑戦ログをお伝えする。学び中の方や、これから学ぼうとされる方の参考になれば幸いだ。今回は知識およびSQL(確認ドリル)について書く。(SQLはGoogle Big Queryに準拠)
また、考察においてキャリアコンサルタント資格の挑戦ログについても記述する。
実技演習(論理設計のコツまとめ)
- 午後試験のうち、論理設計(ER図とスキーマの補記)のコツを、現時点で以下のとおり整理。
- これは、理論(TACの講義動画、TACのテキスト、三好先生のテキスト)を元に、実践(実際に自分が解いて、振り返って有効だと思ったもの)をふまえて整理したもの。
- 午後1も午後2も時間が短く、とくに午後2は疲労も溜まっているので、パターン化しておき慣れておくことが重要。
①回答計画
- 時間配分。ブロック紐づけと過去比較からなる。
- ブロック紐づけとは、本文の記述ブロックが、設問それぞれにどう紐づくかアテをつけること。
- 過去比較とは、過去問ベースの練習における「本文ページ数と所要時間」を記録しておき、本試験の際にこれと比較して時間配分を考えること。
- 私の場合、午後2配分は「計画10分、現行(マスタ・トランザクション)は6ページに対し75分、新規は3ページに対し25分、見直し10分」だ。
- また、午後1配分は「計画5分、現行は2~3ページに対し20分、新規は1~2ページに対し15分」だ。
- 注記確認。設問前と設問内からなる。
- これは見逃すと、せっかく理解できていても全て間違いになるリスクがあるので注意したい。
- たとえば「0を含むかの記載ルール」などだ。
②突き合わせ
- 直前記載、外部キー、リレーション、サブタイプ、連関エンティティ、本文紐づけ、列名下線転記チェックとなる。
- これらはすべて、ER図やスキーマを見て行う作業。
- まず直前記載とは、ER図やスキーマの直前に「~を元に図1、図2を作成した」とある部分のこと。これらは本文の区切りであると同時に、図への説明なのでヒントが埋まっていることがある。
- 次に外部キーとは、スキーマ内で既に外部キーが明示されているものについて、リレーションを確かめ、なければER図に補記する作業。
- 次にリレーションとは、ER図で既に線が記載されているものについて、スキーマにキーが記載されているか確かめ、なければスキーマに補記する作業。(ただし、キー名称の確定は本文を読むとき)
- 次にサブタイプとは、ER図またはスキーマからスーパタイプ・サブタイプ関係を読み取る作業。ER図であれば丁度良い位置に配置されていることが多く、スキーマであれば1段落下げや区分・フラグの管理などヒントがあることが多い。(排他サブタイプ、共存サブタイプ、親に複数のスーパタイプを持つサブタイプなどの特徴を知っているほど、パズル的に埋まっていく)
- 次に連関エンティティとは、ER図またはスキーマから連関エンティティを読み取る作業。ER図であれば「表明+表明」のエンティティがあればいかにも怪しい。スキーマであれば「主キー・主キー」や「主キー・主キー・属性」などが怪しい。
- 次に本文紐づけとは、各スキーマと本文のどこが紐づくかざっとチェックすること。概ね綺麗に整列されているのでざっくり。
- ここまでの作業を行うと、次ステップで本文を読むとき効率が良い。まず、ある程度の業務知識とER図とスキーマの突き合わせをすることで「おそらくこうだろう」と仮説が立てられるので、仮説検証アプローチが取れる。
- これは極めて重要で、本文をいきなり読んで時間内に完璧に回答するのは不可能に近い。「仮説検証アプローチをとり、かつ十分に練習して時間丁度に全部(考えたうえで)埋められる」くらいの、知識と経験と実技練習が試される良問だと感じる。
- さらに、本文の記載箇所をあらかじめ絞り込んでおくことで「おそらくここに記載がある」と確信をもって回答できる。
- 最後に、列名下線転記チェックとはいわゆるケアレスミスの防止。列名を間違えたり、下線(主キーや外部キー)が抜けたり、回答用紙の記入箇所を誤ったりしていないか確認する。
③本文読解
- 当てつけ箇所を丁寧に、コト分け、コード追記時注意、回答は直接用紙へ、最終チェック。
- まず、事前に行った当てつけを元に、本文について上から順に、ER図・スキーマと三位一体で読んでいく。
- なお、スキーマには、本文の記載箇所を紐づけ(たとえば1-1など)しておくと、見直しの時便利。
- このとき、反応すべき「表現」は慣れの世界である。(たとえば「識別する」は主キー、「〇〇には、〇〇がある」はサブタイプ…など)
- なお、完璧に反応できずとも、事前に仮説がある程度あれば、「どこかにあるはずだ(なければ、一旦保留)」として補完できる。
- 次に、「コト」に関する記載はトランザクションなので、マスタに係る作業をしているときは一旦マークして後に置いておく。
- 次に、スキーマに「〇〇コード」を追記する場合は、外部キーである可能性が高いので波下線を忘れず、かつER図にリレーションも忘れず書く事。
- なお、リレーションを書くときの多重度は…基本は「多側に外部キー」である。また「主キーを共有している関係なら1:1」である。あとは(1)本文の記載・(2)他の類似する関係・(3)常識・(4)業務知識の順に照らし合わせ答えを決める形になる。
- 次に、「回答は直接回答用紙へ」。とくにスキーマは列名が多いので、一度設問用紙に書いて、そのあと回答用紙に転記するという時間はないため。
- ただし、スキーマもER図も誤った場所に書いてないか、書き忘れがないかは最終チェックすること。
④新規問題
- ER図やスキーマの穴埋めのあと、たとえば改善後の業務についての設問などの場合。
- 基本は「何がしたいかは表で確認」「何を求められているかは具体的に確認」「本文中のヒントを総ざらいで探す」となる。
- まず、「何がしたいかは表で確認」について。改善後業務について表などの説明があればぜひ見ておきたい。直感的に理解できるので。また、変更後のER図やスキーマ案があれば、現行と比較することで、これも直感的に理解できる可能性が高い。
- 次に、「何を求められているかは具体的に確認」について。「〇〇を埋めよ」など設問で指示があるので、それを見ながら考えるアウトプット思考が良いということ。残り時間にもよるが、積み上げ思考では正解に至らない懸念がある。
- 本文読解の際に「コト」としてトランザクション用に残した記載や、「例えば○○」のような具体事例の記載などはマークしておき、この最後のタイミングで見直して、ヒントがないか探していくことになる。これにより、自信をもって回答することができる。
実技演習(TAC公開模試回答)
解いた問題
- 今回はTAC公開模試の午後2問2を回答した。
- 回答にあたっては、上記コツを全て試した。
結果と今後やりたいこと
- 結果として、回答計画どおりに回答できた(時間どおりに回答記載まで終了)。
- また、事前に配布されていた解答例と突き合わせ、9割以上合っていることを確認できた。
- かなり簡単めな問題であったと思うので気は抜けないが…
- いずれにせよ、やることはまずトレーニング。「楽しんで、1日1回は論理設計実技を行い、振り返って必要に応じコツを追記」
- 次にやることは知識の拡充。三好先生の本の業務知識は読んで置き、また解いた過去問のER図・スキーマなどは「こういうものか」とある程度記憶しておくと良い(仮説検証の元になる)
- また、サブタイプや連関エンティティに関する知識も錆びないように実技の中で復習していく。
- さらに並行して午前2・午後1対策も必要となる。
- 午前2については、TACのテキストで3ラリー目を解くのとあわせて、過去5年分の過去問ベース回答アウトプット練習を行っていく。
- 午後1については、1問は論理設計を選ぶとして、もう1問は「物理設計+SQL」を選ばざるを得ないので、今まで解いた問題の復習とあわせて、三好先生の「厳選」問題は解いておくと良い。
- ということで、本試験までの習慣として「1日1回実技、午前2アウトプット、それ以外を少しづつ(模試回答と提出と振り返り、実力テスト振り返り、令和3年過去問一通り、知識の拡充、午後1対策)」となる。
問題120(SQL確認ドリル)
問題文
- customersテーブルから、都道府県別に「プレミアム顧客、もしくは男性顧客」の数を調べてください。
- 結果テーブルは、都道府県(prefecture)と該当する顧客数(premium_or_male_users)の2カラムとします。
- 後者の多い順に3レコードに絞って表示してください。
group by,whereのおさらい
- まず、「都道府県別に」とあるのでgroup byを用いると考える。
- 次に、絞り込み条件はwhereおよびorで行う。
- 具体的には以下のとおり。
考察
- データベーススペシャリスト資格について。午後試験の論理設計問題のコツを整理し、それをTAC公開模試午後2で試した。そして、本試験にむけた日々習慣を再整理した。また、SQLの確認ドリル(customersテーブルから、都道府県別に「プレミアム顧客、もしくは男性顧客」の数を調べる)を解いた。
- キャリアコンサルタント資格について、メンタルヘルスに関する知識の一部を学んだ。とくに「仕事や仕事外のストレス要因が、どのように心身の不調に繋がるか」の理論は参考になった。変化の激しい時代においてキャリアとストレスは表裏一体であり、うまい付き合い方が重要になると思うからだ。
考察のシンプル化と英訳(練習中)
- Career and stress are two sides of the same coin. So I want to learn how to get along well with it.
- (キャリアとストレスは表裏一体です。だから私はうまい付き合い方を学びたい)
参考資料
- 集中演習 SQL入門/木田和廣/株式会社インプレス
- 2022年度版 ALL IN ONE パーフェクトマスター データベーススペシャリスト/TAC
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