この記事は「システムアーキテクト資格に興味はあるが、どのようなものか?どう学ぶのか?」という方向けに、具体的な内容と私自身の挑戦ログをお伝えする。学び中の方や、これから学ぼうとされる方の参考になれば幸いだ。
はじめに簡単な自己紹介をしておく。私は40代の会社員で本業はITコンサルタントだ。2019年にITストラテジスト、2021年にプロジェクトマネージャに合格した。高度IT資格の攻略法が見えてきたので、今回システムアーキテクトでも試す。
まだ合格していないタイミングで恐縮だが、挑戦ログは今しか書けないので、こうして記事にする次第だ。
システムアーキテクトとは何か
この資格は国家高度IT資格のうち、「業務とITのグランドデザイナー」の専門家であることの証明だ。仕事のイメージとしては以下のようになる。
- 経営者は経営戦略を考える(例:この新商品で売り上げ10%アップを目指したい)
- ITストラテジストはIT戦略を考える(例:それならWeb通販が良い。大まかなイメージはこう)
- システムアーキテクトは基本設計を考える(例:Web通販の具体的な機能と、構成はこうします)
- プジェクトマネージャは開発を統制する(例:Web通販機能・構成の開発を指揮します)
- プロジェクトマネージャ指揮のもと、エンジニアが開発を実施
アーキテクトとはもともと建築の言葉で、建造物やそれらを建てることを意味する。経営者とITストラテジストが大まかな方向性を出したあと、それをどう構築するか。建築で言うところの設計士にあたる仕事である。なお、資格取得によるメリットは以下が挙げられる。
- 国家高度IT資格なので、関係者から高い信頼が得られる
- 基本設計のまとまった知識が習得できるので、仕事に活かしやすい
- 自分に自信が持てるようになり、何事も前向きに取り組める
- 他の高度IT資格と構成が近いので、次の資格取得への足掛かりになる
- 最新技術の学びに活かせる。メタバースやNFTなどの技術はユーザーからは見えないが、無数のネットワークとコンピュータで成り立っている。その大まかな構造を把握することは、将来性を予測するうえで重要だ。例えばあるメタバースサービスを想像してほしい。そのサービスのプログラムやデータを保存する場所はどこなのか(サーバー。iPhoneのストレージのようなものをイメージしてほしい)。AWSか、自前なのか。ゲームエンジンは何を採用しているのか。アンリアルエンジンかユニティか。ネットワークはどれくらい余裕があるか。これら無数の組み合わせから、運営側は「ユーザー満足度とコストの最適バランス」を決める。その良し悪しで、サービスの良し悪しも大きく変わる。
- 将来的に生きるチカラになる。先ほどの「ユーザー満足度とコストの最適バランス」を踏まえた設計を提案し、場合によってサービス開始まで面倒を見るのはシステムアーキテクトだ。つまり開発の心臓部を握っているに等しい。これからITの活用が広まるなかで、この「全体を見通す目」はますます重要になるだろう。
システムアーキテクトをどう学ぶか
まず、試験の構成は以下のとおりだ。
- 午前1、午前2、午後1、午後2の4部構成
- 4部すべて合格することで資格取得
- 午前1は四択が30問。6割で合格
- 午前2は四択が25問。6割で合格
- 午後1は国語問題が2題。6割で合格
- 午後2は論文試験。評価Aで合格
次に、学び方は大まかに以下のとおりだ。
- 午前1は過去問の暗記勝負。約300問くらいがおおよその目安
- 午前2も過去問の暗記勝負。約100問くらいがおおよその目安
- 午後1は国語問題なので解き方を覚える。約10題くらいがおおよその目安
- 午後2は文字で伝える面接。論文形式なのでコツの理解・ネタの準備・書く練習
システムアーキテクト挑戦ログ
まず、現時点の私の進捗は以下のとおりだ。
- 午前1は免除(直近に別の高度IT資格合格のため)
- 午前2は約100問(テキストはTAC ALL IN ONE)について1ラリー終了。説明を軽く読んで、実際に問題を解いて答え合わせ。そのうえでスキマ時間を使い3ラリー目までは終了。あとはもう1ラリー(ざっと)と実際のアウトプット(過去3年の過去問ベースで解答)。直前に「本試験の注意点」をおさらい
- 午後1は約10題(テキストはTAC ALL IN ONE)について1ラリー終了。実際に問題を解いて答え合わせし、問題のポイントをメモしておく。そのうえでスキマ時間を使い3ラリー目までは終了。あとはもう1ラリー(ざっと問題、解答、ポイントを)と実際のアウトプット(まだ解いてない午後1過去問を4~5問続けてやって体になじませる)。直前に「本試験の注意点」をおさらい
- 午後2の論文試験はコツの理解・ネタの準備・書く練習までは済。コツは殆どの高度IT資格で共通。ネタも実は使いまわし可能。書く練習についてはTACの「ツーウェイ添削講座」を利用し2回目の採点で合格判定をいただいた。あとはコツ・ネタ・ポイントおさらい(とくにツーウェイ添削で何を書いて、何を言われて、どう対処したか)と実際のアウトプット(手持ちの情報で問題見てアウトプットできそうか試す)。直前に「本試験の注意点」をおさらい
- それ以外の準備について。受験票が届いたので写真を貼る。当日のロジ回り(場所ふまえ何時頃出ればよいか)確認。前日は良く寝れるよう調整など
次に、以上をふまえてこれから本試験(4月17日)にむけてやることは以下
- 毎日少しづつ、午前2・午後1・午後2コツに触れる。
- 夜寝る前の30分~1時間に紙ベースで復習(スマホは眠りが浅くなるのでNG)
- 翌朝30分のゴールデンタイムに、前日復習したことと、各カテゴリで大事と思った点を1つづつブログに簡潔に下書き。また、前日ツイートのご意見に返信。
- 帰りの電車15分で内容チェックし投稿・ツイート。
- 感情も含めたブログによるアウトプットで記憶強化。それをトリガーにして他の記憶も引き出しやすくする。
- 4月9日、4月10日のまとまった時間で午前2・午後1・午後2の「実際のアウトプット」を実施し体になじませる。馴染んだ感覚と、その時点の抜け漏れと、残り1週間の過ごし方をブログに残す。
- 4月16日の前日は個人的な予定があるため注意する
今回はここまでとする。
冒頭で触れたとおり完全に挑戦ログであるが、何らかのお役に立てば幸いだ。
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