この記事は「データベーススペシャリスト資格に興味はあるが、どのようなものか?どう学ぶのか?」という方向けに、具体的な内容と私自身の挑戦ログをお伝えする。学び中の方や、これから学ぼうとされる方の参考になれば幸いだ。
はじめに簡単な自己紹介をしておく。私は40代の会社員で本業はITコンサルタントだ。2019年にITストラテジスト、2021年にプロジェクトマネージャに合格した。高度IT資格の攻略法が見えてきたので、今回データベーススペシャリストでも試す。
まだ合格していないタイミングで恐縮だが、挑戦ログは今しか書けないので、こうして記事にする次第だ。
なお、今回は4月21日から約1週間分の、一時的なまとめになる。
これから本格的に試験対策に入る前に、次のような「初心」を整理して振り返れるようにしておく目的で作成したものだ。
- 「そもそもこの資格って何?」
- 「一番大事なポイントは何?」
- 「そもそも何の役に立つの?」
- 「なぜ、この資格を学ぶの?」
- 「この機会に、自分の戦略を整理しておきたい」
データベーススペシャリスト資格とは
どんな資格か(シラバスより抜粋)
企業活動を支える膨大なデータ群を管理し、パフォーマンスの高いデータベースシステムを構築して、顧客のビジネスに活用できるデータ分析基盤を提供するデータベース管理者やインフラ系エンジニアを目指す方に最適な資格。対象者像は以下
- 高度IT人材として確立した専門分野をもち、データベースに関係する固有技術を活用し、
- 最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、
- 固有技術の専門家として、情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者
シンプルなことばにすると
- 関連する最新技術を知るだけでなく、実際に使いながら
- ユーザーのいま(業務フローとデータ)とねがい(要望・スペックなど)をよく見て
- データベースを「考え、作り、実際に動かす」
- また、戦略・設計をデータベースの観点から手伝う
- まとめると、「データ」の切り口から、今の業務・社会をより良くしたい人のための資格。たとえば企業内の膨大なデータをまとめ、データベースとして設計し、ビジネスデータ分析で使えるようにするなど。大量データが入手可能になって分析の精度が上がり、資格のニーズも急速に高まっている。
全体の中での位置づけ
- 「一貫性をもった良いIT」を作るために、データベーススペシャリストは何をすべきか
- まずサービスの価値観と仕事の流れをよく見て、必要なデータを使いやすく整理すること(論理設計と言う)
- 次に整理したデータをコンピュータにどう保存するか考えること(物理設計と言う)
- 最後にコンピュータに保存したデータをどう呼び出すか考えること(SQLという言語を使う)
過去試験の傾向と対策
- 午前1、午前2、午後1、午後2の4部構成。4部すべて合格することで資格取得。午前1は四択が30問(6割で合格)、午前2は四択が25問(6割で合格)、午後1は長文問題を3題のうち2題選択(6割で合格)、午後2は長文問題を2題のうち1題選択(6割で合格)
- 学習の優先順位は①論理設計、②SQL、③物理設計。
- まず、論理設計は午後2で1題、それをコンパクトにしたものが午後1で1題出る。よって午後2対策は論理設計問題を6割取れるようにすること
- 次に、SQLは午前2、午後1、午後2で関連する出題がされ、その比率が高まっている。よって午後1対策としてSQL問題を6割取れるようにすること
- 最後に、物理設計は午後2で1題、午後1でも1題出題される。ただし範囲が広いので、基礎知識を抑え過去問中心に絞って確認していく
- 資格ホルダは約3万人。合格率は昨年約17%。時間を割いて真剣に取り組めば、確実に合格を勝ち取れる数字。
- 10月本試験にむけ残り約半年。「自分の本当にやりたいことと出題頻度」をふまえ、「論理設計・SQL・物理設計の優先順」で、「試験ノウハウ・理論・実践」を、「計画立ててコツコツ学ぶ」
基礎知識まとめ(論理設計)
データベースとは
- データベースとは、データの入れ物。セキュリティの観点から普段は隠されてるので意識しづらい
- 多くの人が必要なのはデータのほうと、それをどう活かせるか。大量データをサクッと扱えるアプリもある
- とはいえ、便利なアプリには入れ物のデータベースは必須。需要が高まり、要求も多様化している
テーブルのポイント
- テーブルに始まりテーブルに終わる。テーブルはデータの唯一の入れ物であり表。よって適切なテーブル管理がとても大切。
- テーブルは現実世界の鏡像。私たちは言葉という抽象概念で現実を区切っている。テーブルもこの最上位概念に対応する形に作ると良い。(直感的にわかりやすく、扱いやすく、メンテが楽になる)
- テーブルは集合であり関数。意味のあるまとまりであり、入力に対し一意に出力が決まる。(関数従属性とい言う)。これが最も重要なルールで、正規化やER図はこのエッセンスの補助技法。このルールに沿った美しいテーブルをいかに作れるかでシステムの良し悪しが決まる。
- 関数従属性のイメージとしては「→の元が一つ決まれば、→の先も一つに決まる」くらい。実際の試験でもその程度の解釈で十分。
キーのポイント
- テーブル(表)においてタプル(行)を一意に決めるための属性(列)のこと。
- 一意性を確保するためのミニマムの組み合わせ(もちろん1つの場合もあり)が候補キー。そこから主キーを決める。(候補キーはNULL(空白)OK。主キーはNULL NG。データが参照できなくなるので)
- また、他のテーブルの主キー(または候補キー)を参照する項目を外部キーと言う。ER図の肝となる要素。
正規形のポイント
- 意味は「きちんとした(テーブルの)形」。テーブルの基本ルールをマニュアル通り実現するための公式。第一正規形は「テーブルのセルに複合的な値を含まない」で当たり前。(入力に対し一意の出力が決まらないから)
- 第二正規形は「部分関数従属がないこと」。主キーが複数あり、その一部にだけ関数従属があるのは×。データを追加するときに間違えるリスクがあるから。
- 第三正規形は「推移関数従属がないこと」。主キー以外のキー同士に関数従属があるのは×。データを追加するときに間違えるリスクがあるから。
- この「間違えるリスク」のことを更新時異常という。たとえば第1正規形である「顧客ID(主キー)、注文連番(主キー)、注文日、顧客名」のテーブル。顧客IDから顧客名への部分関数従属がある。このとき何が困るか。
- ①挿入のとき、挿入できない。たとえば「新しい顧客ID・顧客名」を追加したいとき、注文は発生してないのでNULLだが、主キーはNULLを許容していないため登録できない
- ②修正のとき、整合性が失われるリスクがある。たとえば「顧客ID・顧客名」が間違っていたとき、テーブル内の全ての情報を同時に修正しなければならない
- ③削除のとき、情報が失われるリスクがある。たとえば顧客Cさんからの注文が1件だけだったして、その注文情報(行)を削除するとCさんの顧客名まで消えてしまう
ER図のポイント
- ER図はエンティティ(テーブル)のリレーション(関係)。
- テーブルの関係を一望するための図。正規化を進めるとテーブルが増えるので、グラフィカルに理解しやすくする。
- 四角の枠で一つのテーブル。上のエリアに主キー(PK)、下のエリアにその他代表キー。
- テーブル間は線でつなぐ。テーブルの下のエリアにある外部キー(FK)が肝。
リレーション(ER図におけるつながり)のポイント
- リレーションは1:1か1:多。1:1は両エンティティを直線で結ぶ。例は「見積●-○契約」など。契約側が○(0もあり得る)なのは、見積してすぐ契約するわけではない(タイムラグがある)のと、そもそも契約が成立しないかもしれないので。
- 最も数が多く基本なのは1:多。1:多は→で結ぶ(千鳥足の先が逆さになるイメージ)。例は「部署●→○社員」(社員は部署に属す。部署のうち社員がいないところもある)や、「受注●→●受注明細」(互いが存在しないと意味をなさない)など。なお、矢印は主キーから外部キーへ、と覚えると便利
- 多:多は通常ない。例えば「注文⇔商品」のように「一つの注文で複数の商品が発注できる。一つの商品は複数の注文で発注される。」という現実世界ではよくあるパターン。しかしこれを「注文テーブル(注文№、商品一つ目№、商品二つ目№…)」と管理すると商品が一つしかない時ムダ。こんなときは「注文→注文明細←商品」と1:多に変換する。この場合の「注文明細」を連関エンティティと呼ぶ(注文明細№(PK)、注文№(FK)、商品№(FK))。
スーパタイプのポイント
- オブジェクト指向におけるスーパクラスとサブクラスのイメージ。複数のエンティティ(テーブル)に共通する要素を抽出して、より上位の抽象概念として整理する。「現実世界の抽象概念を、業務の都合にあわせてもう少しわけたい場合」には非常に都合のよい考え方。
- 例えば「料理」をスーパタイプ、「単品」「単品立食」「コース」「セット」をサブタイプにする場合。「料理」はかなり上位の抽象概念だが、それ一つでテーブル管理するにはレストランでは困難だろう。なぜなら、例えば「コース」なら「どんな組み合わせで」の管理がいるが、「料理」テーブル1つだとこれは推移関数従属になるからだ。
- ER図ではスーパタイプから1本直線が伸び、△で分岐してサブタイプにつながる。例えば「料理-△-単品、単品立食、コース、セット」
- 関係スキーマ(図)もあわせて用意する。例えば以下。スーパタイプを先に書き、1文字下げてサブタイプを書く。
- <関係スキーマの例>
- 料理(商品コード(PK)、①商品名、②価格、③提供区分)
- 単品(単品商品コード(PK))
- 単品立食(単品立食商品コード(PK))
- コース(コース商品コード(PK)、④コース名)
- セット(セット商品コード(PK)、⑤セット名)
- ルール1:主キーはスーパタイプ、サブタイプで同じ。(ただし、サブタイプを外部参照させたい時などにそなえ、上のように「違いがわかる名称」にすることもある)
- ルール2:スーパタイプの主キー以外の属性(列)は(書かれないが)サブタイプに継承(上記①~③)。また、サブタイプは各々独自の属性を持てる(上記④、⑤)
- ルール3:スーパタイプはサブタイプを識別するためのキーを持つ(上記③)
基礎知識まとめ(物理設計)
勘所
- データベースは見えづらい。セキュリティが非常に厳しいので、開発者からすればユーザは「存在すら意識しない」くらいががちょうど良いのが正直なところ。
- ただ、ここの物理設計は企業としては極めて大事。なぜならコストが高いわりに後から変えるのが難しいから。また、コスト⇔速さ、堅牢性、安全性がトレードオフなので将来の保守効率性ふくめた最適なバランス検討が必要。
- データベースの大まかな構成。まずアプリケーション・ミドルウェア・OSの組み合わせ。そしてサーバとストレージ。要件と制約をふまえ検討する。
コストと効果のポイント
- どれだけ精緻に作り込まれた高品質なシステムでも、不便でユーザから利用されなければ失敗。要は「かかるコスト」を上回る「ユーザへのベネフィット提供」ができるか。費用対効果が取れるか。
- データベースは導入時のイニシャルコスト(導入・構築・ライセンス料等)と、運用時のランニングコスト(保守・運用・サポート費用等)がかかる。費用対効果の年数を想定したトータルコストで見るのがポイント
アーキテクチャのポイント
- ユーザーはより良いものを望む「人間」だ。コンピュータは一度作られた指示に従う「機械」だ。そこには大きく深いミゾがある。よって「橋渡し役」が必要になる。
- アーキテクチャとは、「人間・橋渡し役・機械」の設計図。今は「人間」⇒「橋渡し役のソフトウェア(アプリケーション・ミドルウェア・OS)」⇒「ハードウェア(機械。ネットワーク・サーバ・ストレージ」が通常。たとえばiphoneのアプリを使うときも、ネットワークを通じてwebサーバというコンピュータに繋がり、ストレージにデータを保存したりしている(このような構成を大まかにwebシステムと言う)
ソフトウェアのポイント
- 橋渡し役の部分。アプリケーション・ミドルウェア・OSからなる。
- まず、OSはソフトウェアの中で最も機械寄りの部分。Linux,UNIX,Windowsが有名。
- 次に、ミドルウェアはOSにインストールして動く中間部分。DBMS(Data Base Management System)と呼ばれるデータベースはここに属する。DB2,Oracle,MySQLなど。ユーザの権限制御やデータの参照・更新・追加・削除などができる。リレーショナルデータベース(行と列からなる表で管理するデータベース)とSQL(プログラム知識無しで、英語で命令するかのように使える言語)の発明により、ユーザの間口が一気に広がった。
- 最後に、アプリケーションは最もユーザに近い部分。LINEやTwitterなど様々ものがある。
- あくまでイメージだが、人間が「A定食ください」と言った時、アプリが「A定食はご飯とみそ汁とトンカツ」と翻訳し、ミドルウェアが「それぞれのレシピ」に翻訳し、OSが「レシピに応じた調理指示」を機械に依頼…のような感じ。だんだん細かく、具体的な指示にしてくれる。(自動で!)
- なお、OSとミドルウェアの組み合わせ選択肢は数多くあり、予算・機能・スキルマッチ等の観点を考慮して選ぶ。
ハードウェアのポイント
- 機械の部分。大きくはネットワーク・サーバ・ストレージからなる。
- 近年はwebが主流なので、離れたところをつなぐネットワークと、webのやり取りを担うwebサーバ(パソコンのようなもの)、プログラムを置くアプリケーションサーバ、データを置くDBサーバとストレージ(ハードディスクのようなもの)で構成される。
- ここで大事なのはDBサーバとストレージ。大量のデータを永続的に保存し、かつパフォーマンスも求められるため要求レベルが高くなる。サーバ内部のローカルストレージやメモリでは要求を満たさないので、専用のストレージを別途用意する
- さらにデータベースの冗長性(片方が止まっても、もう片方が動き続けるよう複数用意する)を確保するためいくつかの手段を取る。シンプルなのはDBサーバを複数用意するクラスタリング。(複数のサーバで一つのストレージを共有するのでシェアードディスクとも言う)。複数台のサーバを常に動かすActive-Activeか、片方はスタンバイのみにしておくActive-Standbyがある。
- ただ、クラスタリングだとストレージ部分は冗長化されない。そこでサーバとストレージの組み合わせを複数持つレプリケーションという手法も場合によって取られる。
- また、クラスタリングとレプリケーションを行っても100%の障害対策にはならない。そこで何かあった場合に備えバックアップと障害復旧という対策も取られる。
- さらに、パフォーマンス向上のための様々な施策がとられる。
基礎知識まとめ(SQL)
- SQLについてはまた後日、別途整理する。
考察まとめ
AIについて
- データベースと関わりが深いAIについて。AIは「大量のデータを元に、問題の答えを予測する、統計的な方法論」。現代では「人の頭脳を模したもの」ではなく、数学的手法であることに注意。噛み砕くと「これだけ多くのデータがあるんだし、たぶん答えはこう!」
- 大量のデータが入手可能になることで回答の精度が高まり、AIは急速に盛り上がる。ただし、ゴミデータがいくらあっても答えがゴミになるだけ。よって現実世界をよく見て、データを綺麗にまとめて、うまく使う知識は必要(それがデータベーススペシャリストの基礎と認識)
作業効率と基礎の重要性
- データを使って分析するとき、長い目で見るなら必要なデータの整理・蓄積が必要だ。そのとき、データを意味のあるまとまり(テーブル)にまとめ、それらの関係を図で整理する「概念データモデル」の基礎を体得していれば、作業効率性は格段に良くなるだろう。
- データベーススペシャリストの試験は主に企業の業務改善にかかわるものだが、それら具体例が実務にそのまま役立つことも期待できる。また、それらを通じて「データベース設計・活用のセンス」という抽象概念を磨くことで、色々と応用が可能になるだろう。
- ずさんなテーブル設計をして、データ不整合が起きて大問題になるケースは後を絶たないのが現状。だから、データベーススペシャリストはテーブル設計の基礎をしっかり理解し、体にしみこませる必要がある。
- 昔読んだ「拳児」という漫画に「半歩崩拳」というエピソードがあったが、色々な技を試すより基礎をしっかり身につけるほうが大事と考える。
キャリアの方向性について
- 円安が進むなか、生活に良くない影響が出ている。海外から購入するモノ・サービスが高く感じるからだ。 自分の資産(金融資産、健康、つながり、ノウハウ)をどう有効活用するか、世界の動きも考慮し常に模索する必要がある。 そのためにデータに関する学びと活用は今後も続けていきたい。
- なお、私の場合はITストラテジスト(戦略)、システムアーキテクト(設計)、プロジェクトマネージャ(開発)と学び、本業もするなかで「ITの全体」視点が見えてきた。 これに「ミクロな自分」視点と「マクロな環境」視点を加え、3つの視点を意識し実データを使い考察を行っていきたい。
- また、「ミクロな自分」について、私の目的は「ITの役立て方を学び、伝える」。今回はデータベースの基礎を学び(抽象)、試験を通じて実践し(具体)、自分なりに体系立て(抽象)、実務に活かす。(具体)。
- このスキルは今後必ず役にたつ。なぜなら、まず日本はITなど高成長産業に集中せざるを得ないから(*1,*2,*3)。IT人材の育成、国や企業のDX推進など幅広い分野で「IT全体の始点」は重宝する。
- 次に、アメリカを中心にIT産業は成長する一方(アメリカのGDPは日本の4倍だが、例えばソフトウェア作業なら日本の14倍)で、急激な成長に土台が追い付いていない(戦略、設計、開発の問題で失敗するプロジェクトも多い)から。そしてメタバースやAIの進展により「言葉の壁を越えて働ける時代」が近づきつつあるから。メタバースを始めとしたコミュニティツールはいかにユーザを多く、長く取り込めるかが勝負であり、そのために全世界のユーザが自然に集まれる環境作りが進むことは必須。(もちろん、翻訳を使いこなし、わずかなニュアンスを埋める補完的な英語学習は必要になるだろうが)。つまり世界全体に「ITの役立て方を学び、伝える」ことができるようになる。
*1
- 大まかな仮説として「日本はかつての資産(金融資産や製造業)を最大限活用するものの、大幅な産業構造変化には乗り切れず、そろそろ綻びが出始めている」。
- まず「付加価値」という意味では、名目GDPはここ数年ほぼ変わらず、製造業は2010年代からゼロ成長(売上ベースで。利益拡大は人件費削減や円安によるもの)、IT産業も国外サービス利用が主(国内企業のクラウド撤退など、GAFAMに対抗しきれず。経常収支のうちサービス収支は大幅赤字)。
- 国内産業の空洞化が懸念(経常収支のうち黒字の殆どが大企業による国外投資)され、国内労働者の多くが国外大手企業の「IT下請け」になる恐れ。
- すでに実態として「中小企業の規模縮小→低賃金のまま大企業へ→世帯所得が増えず消費停滞」の悪循環により個人の給料は下がっており、そこに少子高齢化による増税や、超円安による消費者物価上昇が重なり生活が困窮。
- 今後、超円安がさらに進行すると(日銀は大規模金融緩和政策を続行。低金利が続く。アメリカは金利を上げているのでさらに国外投資が増え、円売りドル買いによる円安は進行。すでに個人も海外建投資に流れている)…
- まず企業と個人の生活が更に苦しくなる(企業は円安による物価上昇を消費者物価に完全に転嫁しきれない)。人材の国外流出もあり得る(すでに介護人材はより給料の高い韓国へ)。最悪の場合経済の停滞につながる(アジア通貨危機のような銀行倒産など)
*2
- これも仮説だが「日本の現状は、誰か数人の政治家が決めたわけでなく、皆がそう望んだから」とも感じる。
- 何かの本で読んだのだが「なぜ戦争が起きたかという話をするとき、皆「上にだまされた」と言うが、どんどん上がっていくとわずか数人が全て決めたということになるが、非現実的だ。実際は国民一人一人がそう望んだ全体の総意であったと想定される」という話がある。
- 超円安もそうで、政治家が円安を決めたのは製造業を中心に要請があったからで、製造業のトップがそう決断したのは従業員から「給料を維持してほしい」「終身雇用を維持してほしい」と要望があったからで、のような。
*3
- こんなときは名著FACTFULLNESSの言葉が刺さる。
- 「犯人捜しはやめよう。なぜなら、犯人を見つけたとたん考えるのをやめてしまうからだ。そして、ほとんどの場合、物事ははるかに複雑だ。だから、犯人よりもシステムに注目しよう。世界を本当に変えたければ、現実の仕組みを理解することが必要だ。誰かの顔に一発パンチを食らわすなんてことは忘れた方がいい。」
- 「物事をうまく回すシステムは社会基盤とテクノロジーだ。社会を機能させている、勇敢で辛抱強い人たちが注目されることはめったにない。でも、本当の救世主たちはそんな人たちだ。そして、全員が望んだ生活を送れるような新しいテクノロジーを開発することに力を注ぐべきなのだ」
方向性の確認(私の場合)
こちらはあくまで私の場合の事例。データベーススペシャリストの学びが私の「本当にやりたいこと」に合致するか確認するためのもの。
価値観に合うか
- 合う。私の価値観は「全体、シンプル、熱中、やさしさ、誠実」
- 数多くのファクト(事実)を集め、統計の考え方も用いて理論(抽象)を導き、実践(具体)し、生活の質を向上させる
- ファクトに基づく冷静な考え。これからの世の中を生きるうえで必須
- コンピュータを使いこなす。そのためにデータベース構築と活用と最低限の知識は必須
得意なことに合うか
- 合う。私の得意なことは「読解、学び、信念」。毎日コツコツ進められる
- また、「親切、感謝、敬意、貢献」などに合致。ファクトに基づく説明は説得力を増す
好きなことに合うか
- 合う。「具体と抽象」「ファクトに基づく思想」などはとても好き
- FACTFULLNESS、原因と結果の経済学、経済データ分析などの書籍を自然と購入していた
- システムアーキテクトにおいても必須知識。データベースは設計の根幹
- 「データベースのきほん」を大変楽しみながら読めた
できそうか
- できそう。過去問は一見難しそうに見える
- しかし「ユーザの戦略や要件を理解し、それをデータベース世界の言葉に置き換える」ことが本質と認識している
- 私は前者の理解は十分理論と実践を積んでいる
- データベース世界の言葉も「データベースのきほん」で学びイメージはつかめているし、本業でも経験している
- 何よりワクワクしている。昔からDFDやER図は自分で実際に書きたいと思っていた。開発者の方にお任せしていたが、やはり自分で何度も試行錯誤できるのはスピード感が違う。
目的や方向性の再確認
- 上記考察まとめの太字参照。このように大きな目的、全体像を抑えることで、次のメリットが期待できる。
- 「志」に戻ることでモチベがわく。継続できる。
- 伸びしろが増える。視野が広がることで、まだまだ未熟と実感できる。
- 記憶の定着に役立つ。大きな「幹」を覚えることで、「枝葉」の知識を引き出しやすくする。
- モチベが上がる。大きな「抽象」を抑えることで、それを埋めるピースである「具体」は脳を喜ばせる。
戦略の確認(私の場合)
こちらもあくまで私の場合の事例。データベーススペシャリストを学ぶのは過程であり、中長期の戦略として自分の資産をどう活用していくかについて書く。
- まず健康資産の活用。40代で大きな疾病がない(健康診断A判定、飲酒・喫煙習慣なし)ことは大きな強み。
- これを最大限生かすべく、良い生活習慣(朝ルーチン、昼リセット、夜リラックス)を継続。
- 食生活のバランスは妻のおかげでかなり意識できている。
- 後は仕事を17~18時退社目安にするのも大事(自身の健康のためにも、家族との時間確保のためにも)。
- 後は何より運動習慣。ボクササイズなど色々試すもなかなか続かず。まずは「平日の通勤やアクティブレストの活用」。少し先に「休日はもう少し良いVRが出来たらゲームエクササイズ(昔DDRは相当ハマった)」(下の子どもが小学校に入り、まとまった時間が確保できるようになったら、武術やサイクリングなど再開しても良いか)
- 次につながり資産の活用。朝食作り、一緒に家族と食べるのは大事。退社目安も前述のとおりとし、家族との時間を確保。休日は娘と公園にいくなどできるだけふれあいの時間を。何より日々の感謝を忘れず、ワンチームとして。SNSはTwitterで素晴らしい方々と繋がれているので継続。少し先ではメタバースのコミュニティ参加を実践したい。
- 次に知的資産(ノウハウ、経験など)の活用。現在のノウハウと経験を最も有効活用できるのは本業なのは間違いない(業種の勘所もそうだが、信頼関係は特に大きい)。
- 金融資産面でもメリットは大きい(年収、福利厚生、退職金、厚生年金などトータルすると数億相当の価値)。
- よって本業は原則継続しつつも、制度を最大限活用。まず学びや健康サポート(例えば高度IT資格の取得支援や、歯の無料精密検査など。これは国家レベルでも常に意識)。
- 次に働き方サポート(育児時短、育児中の時間外制限、育児休業など)。家族や仕事仲間とも相談しつつ常に柔軟な働き方を。
- そのうえで徐々に「ITの活かし方」を主軸とした学びと実践にシフトしていく。
- 「自分というミクロ軸」で見ると「本当にやりたいこと」はこの延長線であり、すでに持つスキル(ST,PM,AFP,消費生活アドバイザ等)も活かしSA,DBと資格取得目指すのは合理的。
- そのうえで実践としてデータ解析やメタバースを進めつつ、ブログ×Twitterによる発信と定着。
- 「環境というマクロ軸」で見ても前述のとおりITは成長する一方で、メタバースはブルーオーシャンもまだある状態。
- 将来的には「理論と実践をふまえた、相手の理解度にあわせた親密で丁寧なIT悩み相談」を、メタバースの技術(世界を股にかけて、身体性も兼ねたインタラクティブ性)を使って提供する方向になるか。
- 小さくても良いのでフライホイールを早く回したい。具体的にはDB受験後くらいか?
- それともITに欠かせないセキュリティのほうを攻略するか。時期は今後検討。
- 焦らず準備を進めて、良い縁があればやってみるくらいの気概か。
- 最後に金融資産。収入の一部の貯蓄(投信)は継続。
- 暗号資産やMETA株はあくまで家計とは別の、個人としての余裕資金の範疇(学びの一環)で。
- ふるさと納税・NISAなど税制面の優遇措置はフル活用(年金は企業内)。
- 土地・住宅は家族と相談しながら有効活用を検討(時間をかけずに現在の家賃相当分が確実に得られるのはメリット)。
- 金銭面でもしっかり土台を整え、複数の選択肢を取れるようにしておく。
参考書籍
- データベーススペシャリスト2022年版/三好康之/翔泳社
- おうちで学べるデータベースのきほん/ミック,木村明治/翔泳社
- FACTFULNESS/ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド/日経BP社
- NEWSPICKS 4/25「完全解説 円安について本当に知っておきたいこと」
- NEWSPICKS 4/26「入門 最新の貿易データでみる、新しい日本のカタチ」
- NEWSPICKS 4/27「挑戦 円安でも、アメリカで働けばいい」
- NEWSPICKS 4/28「教養 円安のいま学び直す日本経済の授業」
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