本日はデータベーススペシャリストの全体像について書く。
メリット
私は何かを学習するとき、まず全体像をイメージすることにしている。それは、以下メリットが得られるからだ。
- 目的を再確認できる。私の目的は「ITの役立て方を学び、伝える」。今回はデータベースの基礎を学び(抽象)、試験を通じて実践し(具体)、自分なりに体系立て(抽象)、実務に活かす。(具体)
- 「志」に戻ることでモチベがわく。継続できる。
- 伸びしろが増える。視野が広がることで、まだまだ未熟と実感できる。
- 記憶の定着に役立つ。大きな「幹」を覚えることで、「枝葉」の知識を引き出しやすくする。
- モチベが上がる。大きな「抽象」を抑えることで、それを埋めるピースである「具体」は脳を喜ばせる。
全体像のイメージ
サービスについて
- 世の中にはたくさんのサービスがある。
- サービスはたくさんの業務とITで成り立っている。
- 強い企業ほど一貫性がある。
たとえば、東京ディズニーランドのばあい
- 東京ディズニーランドのベネフィットは「家族など大事な人との、夢のような楽しい時間と思い出」である。
- よって、たとえば「スタンバイパス予約」は一貫性をもって整備。(もしうまく機能しなかったら、楽しい時間は台無しだ!)
- 多少お金をかけてでも、「良いIT」にしている。
データベーススペシャリストの仕事
- 「一貫性をもった良いIT」を作るために、データベーススペシャリストは何をすべきか
- まずサービスの価値観と仕事の流れをよく見て、必要なデータを使いやすく整理すること(論理設計と言う)
- 次に整理したデータをコンピュータにどう保存するか考えること(物理設計と言う)
- 最後にコンピュータに保存したデータをどう呼び出すか考えること(SQLという言語と使う)
考察
- 「サービスはたくさんの業務とITで成り立っている」ことについて、「全体像をイメージする」「それぞれの役割に敬意を持つ」だけでだいぶ生きやすさは違うと感じる
- なぜなら、視野が広がり、全体のどこを会話しているのか確認できるからだ。これにより、話がかみ合わない3要因「人間は自分中心」「互いに全く別の部分を見ている」「互いに伝わったつもりになっている」はだいぶ解消する。
- また、互いに敬意を持つことで信頼が生まれる。「この何十年かの間に礼儀が失われたのは、決して悪意のせいではなく、それは主に無知のせいである」と言われるが、無礼は自分と周囲を不幸にする。
- 具体例一つ目。ある中小企業の話。「毎朝のデータ入力が大変で、そのために早朝出勤しなければならない」と事務職員が不満を漏らしていたので、エンジニアのAさんが善意でプログラミングを使い自動化した。ところが社長は「我が社は昔から早朝出勤と朝礼を大事にしていた」と怒ってしまった。事前に「価値観」を社長とAさんがすり合わせていれば、この悲劇は避けられたかもしれない。
- 具体例二つ目。これはよくある話と思うが、経営者は「開発者は全くお客様のことを見ていない」と言い、開発者は「経営者はプログラムやコンピュータのことを何もわかってない」となるケース。互いに思っているだけならいいのだが、相手への不敬は態度に出てしまうので、こじれることも多い。「餅は餅屋」なのだから、それぞれに敬意を持ちつつ、双方が少しづつ歩み寄れば衝突は避けられるかもしれない。
- 要は「みんな違ってみんないい」なのだが、忘れないよういくつか関係する記述を残す。
- ひとつめ。デカルトの「方法序説」で「わたしたちとまったく反対の意見をもつすべての人が、それゆえに野蛮で未開だというわけでなく、それどころか、多くの人がわたしたちと同じかそれ以上に、理性を働かせていることだ」とある。デカルトほどの知の巨人であっても、抽象概念を知っているだけでは役に立たないし、具体事例を追求しても専門家にはかなわないことを認識している。
- ふたつめ。がばいばあちゃんの「人間は総合力」。頭が良い人もいれば力が強い人もいる。みんなそれぞれ役割を持っている。
次にやりたいこと
- 今回確認した全体イメージのうち「論理設計」部分を少しだけ深堀していく。「一貫性を持った良いIT」のため、論理設計はどうあるべきか。それを基本理念として認識したうえで、いよいよ試験問題という具体に降りていく。
参考書籍
- おうちで学べるデータベースのきほん/ミック,木村明治/翔泳社
- ドリルを売るには穴を売れ/佐藤義典/青春出版社
- 言葉のズレと共感幻想/細谷功,佐渡島庸平/dZERO
- なぜ、あの人と話がかみ合わないのか/細谷功/PHP文庫
- Think CIVILITY/クリスティーン・ボラス/東洋経済
- 方法序説/デカルト/岩波文庫
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