この記事は「キャリアコンサルタント資格に興味はあるが、どのようなものか?どう学ぶのか?」という方向けに、具体的な内容と私自身の挑戦ログをお伝えする。学び中の方や、これから学ぼうとされる方の参考になれば幸いだ。
なお、並行して行っているSQLの学び(確認ドリル)についても書く。
キャリアコンサルタント資格
資格の概要(再掲)
- 「キャリアコンサルタント」として、キャリアに関する相談・助言・指導が標準レベルにあることを証明する。国家資格(名称独占資格)で、5年に1回の更新が必要。
- 試験時期は年に3回。形式は学科と実技。主催は協会と協議会。私は2023年3月に協議会で申し込み済。
学習ロードマップ(再掲)
- 私はリカレント様の「キャリアコンサルタント養成ライブ通信講座」を受講。
- 2022年10/1~12/3までの「応用実習・総まとめ(週1回の対面講義)」および「修了試験」は無事終了。
- 現時点の詳しい学習計画は以下のとおり。(グレーは完了したもの)
学習記録
概況
- 現在は「論述重点期間」として、論述マスター動画を見て学びを進めている。試験の概要とポイントは前の記事に記載(リンク先)
- また、並行して面接試験の対策は、週1ペースでの実践練習を1月末より実施予定。
- 今回はリカレントの用意した協議会用の練習問題①について、解答の講義動画を見て振り返りを行う。
実際の回答 設問1~4(再掲)
- 講義動画を見るにあたり、今までの回答を再掲。
- うーん…こうして見ると、全般的に「キャリコンとしての態度」「システマチックアプローチの流れ」に、具体事例を一部当てはめつつ、全体として筋が通るようにして、採点者に丁寧に伝わるようにしているわけで…慣れればかなり素早く、手堅く解けそうだな。
- 配点的にも、論述がしっかり取れれば面接も多少は安心(仮に論述で8割の40点取れれば、面接は5割の50点でも、合格ラインの90点に届くため)だから、しっかり練習しよう。
- 設問1(相談者の主訴)「現在就職活動中だが、コロナウィルスの影響などで志望企業の採用が大幅縮小となり、活動を続けることに虚しさを覚えている。活動に身も入らず、どうしたらよいか相談したい」
- 設問2(キャリコンの意図)「相談者から、希望業界(航空と旅行)以外の”他業界”について発言があったので、他業界について相談者に内省を促し、情報をより明確にする意図で質問したと予測される。」
- 設問3(見立て)「自身の興味や職務能力について自己理解の不足があると思われる。また、不動産業界の仕事内容や企業について仕事理解の不足も見受けられる」
- 設問3(根拠)「相談者は不動産業界のインターンシップで都市デザインの知識を発揮できたものの、その経験をふまえた興味検査の深堀りや、得意なことの活かし方の検討などの内省の状況が不明確であるため。また、不動産業界で働く姿が想像できていないため。」
- 設問4(方策)
- ①相談者の悩みに深く寄り添いながら「自己理解の不足」「仕事理解の不足」という見立てについて、丁寧・謙虚な質問を通じて確認させていただく。
- ②そのうえで、まずは不動産業界のインターンシップの経験の振り返りを通じて、自身の興味や能力について気づきを得られるよう支援する。
- ③次に、仕事現場の見学などを通じて、働く姿のイメージが得られるよう支援する。
- ④これらの取り組みを通じ、相談者が自己効力感を高め、主体的かつ自律的に就職活動に取り組めるよう支援する。
模範解答の下読み 解答の基本構成再確認(再掲)
- まず、模範解答を2分かけて読み込む。おおむね基本構成は私の解答と一致しているように見受けられる。
- たとえば…設問1の模範解答は「経緯(志望企業の新卒採用が中止)+感情(虚しさ)+定型(どうすればよいか相談したい)」という構成だし、
- 設問2は「事実(他の業界についての発言)+パターン(相談者への理解を深める(≒内省を促し、情報を明確にする))+定型(と予測される)」だし、
- 設問3の見立ては「見立て1(働くことの理解不足)+見立て2(価値観についての自己理解不足)+定型(と思われる)」だし、
- 設問3の根拠は「根拠1(不動産業界で働く姿が想像できない)+根拠2(好きなことを仕事にすることしか考えてこなかった)+定型(根拠は、~、という発言である)
- 設問4は「半定型(~という感情に寄り添い支援)+半定型(見立てを確認 or 合意を得られれば)+見立て1対策+見立て2対策+半定型(~(設問1に照応するかたちで書く)できるよう支援していく))」だ。
模範解答の解説 設問3
- 設問3の見立てと根拠について。まず”見立て”は2つ挙げるのを推奨(2行書けるので、1つでは少なすぎるし、3つだと半端になる懸念があるため)
- 次に“根拠”は相談者の言動から抽出する。これは、設問の「相談者の言動を通じて」に従って。
- よって、例えば一つ目の見立ては「不動産業界で働くことに関する理解不足」とし、根拠は「相談者の「不動産業界で働く姿は今も想像できない」」が正当。
- なお、見立ての立て方だが…若年者の就活・転職支援であれば「自己理解の不足」と「仕事理解の不足」が一般的と考える。これは厚労省の調査資料や、発達理論などからも垣間見える。情報は多くもつものの、それを整理・選別する自分軸が曖昧なので、好きな産業、知名度の高い企業に集中し、それ以外をあまり考慮できないケース。
- 次に育児期の女性や、中高年の場合は「自己理解の不足」と「中長期のキャリアプラン」が一般的と考える。すなわち育児後や定年後という新しい状況に直面するにあたり、自分に何ができるか、自分がどうありたいかが曖昧なケース。
- とはいえ…実際の試験や実態では多種多様なので、このように型にはめる方法はリスキー。
- それよりも…設問3の見立ては、(キャリコンが予測する)主訴(悩み)の真因のうち、最も重要と思われる上位2つ、なので、裏を返せばそれを解消すれば状況が改善し得るものでなければいけない。
- となれば、主訴を正しく捉えることが重要。今回は面談最後の「どうやって就職先を決めればいいのかもわからなくなり」が主訴になる。その理由は直前の「好きなことを仕事にするしか考えてこなかった」とあるから…まずは仕事を選ぶ基準について内省を促す必要がある。
- そして、ここからは知識だが、「好き」だけで仕事を選ぼうとすると困難で、「大事なこと(価値観)」および「できること(能力)」も含めた仕事選びが大事になる。
- とりわけ「大事なこと(価値観)」は現代において漏れがちな要素(企業の知名度、年収など外的キャリアが重視され、それに係る情報が氾濫し、内的キャリアをじっくり考慮する機会も方法も無いから)と思われる。よって、もっとも最初に取り組むべきは価値観についての理解の支援である。
- そのうえで、既に一定進んでいる不動産業界について、仕事理解を促す必要がある。
- このように、「見立ての優先順を、主訴の解決の観点から検討する」ことが極めて重要になる。
- 次に、アンチパターンとして「相談者の発言に、+〇〇理解の不足」とするのは×。それはCL視点の問題(だし、根拠)。そうなった真因をどう予測するのか、見立ては具体的に、キャリコンとして予測・解決していくものになっているかもポイント。
- 最後に、文末は仮説・推測の「思われる」で締めくくる。また、箇条書きでなく一つの分かり易い文章が推奨される。
- 気づきは3点。一つ目は、主訴を正しく捉えることができないと、見立ての深堀りも難しくなること。(私は「好きなことを仕事にすることしか考えてこなかった」の文字を見落としていたため、この点の解消というアプローチが取れなかった)とくにこの点は練習と振り返りが必要だ。練習問題②および公開模試があるので、そこで”掴める”ようにしておきたい。
- 二つ目は、”見立て”は主訴の解決の観点から、キャリコンとして具体的に検討されたものであるべきということ。
- 三つ目は、”根拠”は相談者の発言から抜粋した具体的なものであるべきということ。
SQL(確認ドリル)
- 直近はキャリアコンサルタント資格に集中する。
- ただし、本業はIT領域であることと、プログラミングやSQLを毎日少しづつ触る行為が楽しいことから、SQLの確認ドリルを1日1問解くことは続ける。
- なお、SQLはGoogle Big Queryに準拠する。
問題230
問題文
- sales、customers、productsの3テーブルから、2017年から2019年の各年において、もっとも販売金額の合計が多かった顧客と、その年にその顧客に対して販売した金額が最も大きかった商品を取得してください。
- 結果テーブルは、年、顧客ID、顧客名、商品ID、商品名、商品別販売金額合計の6カラムとし、年の昇順に並べ替えて表示してください。
回答プロセス
- まず、3つのテーブルを内結合し、年・顧客単位の販売額一覧を求める。
- 次に、各年において、販売額が最大の顧客を求める。また、年単位に束ねる。
- 次に、3つのテーブルを内結合し、年・顧客・商品単位の販売額一覧を求める。
- 次に、上記の結果を内結合し、各年の顧客の最大販売商品を取得する。
- 最後に、顧客名・商品名を再度内結合で取得し、表示する。
- 具体的には、以下のとおり。
考察
- キャリアコンサルタント資格について。論述試験の練習問題の解説を確認した。キャリコンは相談者の問題について解決に向けた論点を見立てる。それは自己理解(能力や価値観)や仕事理解など様々だが、根拠は論理的な説明が不可欠で、これは慣れが必要だ。
- 趣味のSQL確認ドリルについて。本日は「sales、customers、productsの3テーブルから、2017年から2019年の各年において、もっとも販売金額の合計が多かった顧客と、その年にその顧客に対して販売した金額が最も大きかった商品を取得する」を解いた。
考察のシンプル化と英訳(練習中)
- The ability to explain why I think that way is difficult, but I think it is important.
- (自分がなぜそのように考えたか説明できる力は、難しいが大事なことだと思います。)
参考資料
- 国家資格キャリアコンサルタント実技試験(面接・論述)実践テキスト/柴田 郁夫/株式会社秀和システム
- 集中演習 SQL入門/木田 和廣/株式会社インプレス
- 世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方/八木 仁平/株式会社KADOKAWA)
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