この記事は「キャリアコンサルタント資格に興味はあるが、どのようなものか?どう学ぶのか?」という方向けに、具体的な内容と私自身の挑戦ログをお伝えする。学び中の方や、これから学ぼうとされる方の参考になれば幸いだ。
なお、並行して行っているSQLの学び(確認ドリル)についても書く。
キャリアコンサルタント資格
資格の概要(再掲)
- 「キャリアコンサルタント」として、キャリアに関する相談・助言・指導が標準レベルにあることを証明する。国家資格(名称独占資格)で、5年に1回の更新が必要。
- 試験時期は年に3回。形式は学科と実技。主催は協会と協議会。私は2023年3月に協議会で申し込み予定。
学習ロードマップ(再掲)
- 私はリカレント様の「キャリアコンサルタント養成ライブ通信講座」を受講。
- 2022年10/1~12/3までは「応用実習・総まとめ」として週1回の対面講義を実施。11/12,11/19に修了試験あり。
- 現時点の詳しい学習計画は以下のとおり。(グレーは完了したもの。赤字は変更したもの)
学習記録(面接試験のポイント)
要点キーワード
- リカレント応用実習の学びをふまえ、いつでも見返せるよう整理したキーワードが以下。
- 【マインドとスキル】
- 受容・共感・一致⇒好意的関心(敬意)・傾聴⇒信頼関係の構築・主訴把握⇒CL中心の自律支援
- かかわり行動(姿勢・目線・トーン・言語追跡)、かかわり技法(観察・感情・はげまし・要約)
- 【試験】
- 態度・展開・自己評価(〇△、主訴と見立て、今後)
- 信頼を探る15分、聴いてますよ、丁寧な繰り返し、最後まであきらめずに
- 聞いてオーラ。繰り返しに反応、頃合いで要約
- 話したいことを話してもらう。日常練習、実践。
試験の形式
- 15分のロープレと、5分の口頭試問からなる。
- ロープレは、初回面談の最初の15分という設定。
- 口頭試問は、「できた点・改善したい点」「主訴」「見立て」「今後の展開」「資格を取得した後の活動」等を問われる。
- 評価項目は、協議会の場合は「態度」「展開」「自己評価」。
具体的な面接の流れとポイント補足(カッコ内)
- ※無理なく再現可能で、柔軟性があるひな形とする※
- ※参考にしたのは、緑のうさぎ本と、応用実習のロープレ(とくに先生からフィードバックいただいた4回目)※
- 控え室に集合。(時間厳守、清潔な服装、要点キーワードを直前チェック)
- 注意事項説明。(しっかり聴く、対処、携帯は電源オフ)
- 試験部屋に通され、クライエントの属性ペーパーを読む(年代・略歴・家族構成を読む。クライエントの大まかな属性は予測しておく)
- 「準備ができたら始めてください」と言われる。(「十分準備したから、あとは練習通り落ち着いて」「万一失敗してもリカバリーできる」「一方的に聴くだけでも、意図が口頭試問で語れればOK」とリラックス)
- かかわり行動開始(椅子の向き、目線、姿勢、声のトーンなど)
- 会話スタート。「はじめまして、キャリアコンサルタントの佐々木です」「本日はどのようなことで、お見えになりましたか」
- 丁寧な繰り返し開始。(相談者が例えば「近頃、やる気がでなくて…」と言ったら、まずしっかり受け止める。そのうえで心から「やる気がでないんですね…」と繰り返す。即時のオウム返しではない)
- 最初の15分は信頼関係の構築。(焦らずに。基本的にはクライエントにゆだね、無条件の肯定的関心を持ち、観察も行い、感情表現や独特な表現に注目して、コトではなくヒトについてより深く聞かせてもらうようにする。)
- 大事なのは一貫した共感の姿勢。(最初の応答で、じっくり噛みしめるような繰り返しを行い、それ以降もしっかり応答し、信頼関係の構築を維持できているか)
- 頃合いで要約。「〇〇さん、ありがとうございます。」「念のため、今までのお話を確認させていただいても、よろしかったでしょうか」「(合意が得られれば)ありがとうございます。それでは…(経緯、状況、感情表現をふくめた主訴)」
- 通常、クライエント中心に話してもらい、感情表現(表情やトーンも含む)の丁寧な繰り返しで進めると、15分はすぐ経過するはず。
- 口頭試問。自己評価は信頼関係の構築に係ること(具体的な内容も盛り込むこと)、主訴は要約した内容ベース。見立ては感情表現を引用し価値観+仕事のベースで、資格取得後のビジョンは以下参照。
資格取得後のビジョン
- 私は現在、生命保険会社のIT部門に勤めているのですが、メンタルヘルス面で悩んでいる人が多いように感じられます。
- たとえば直近では、大規模プロジェクトの失敗により、メンバーの関係が悪化し、多くの方が体調を崩しました。
- そこで私は、できれば資格を活かす形で、企業内キャリアコンサルタントとして状況の改善に取り組みたいと考えています。
学習記録(実技を踏まえた気づき)
ポイント(意識)
- 大事なのはテクニックでなく、本来の目的に沿った意識と行動。
- 本来の目的は「相談者の自律を支援する」こと。(今の問題が解決した後も、様々な問題は続き、それは相談者が解決してくのが理想だから)
- そのために、悩みをしっかり理解し、それを深めていくこと。
- 具体的な意識は「相談者は本来、自分のことを自分で決めていけるし(自律)、その人にしかない宝(強みや価値観)を持っている」という敬意。(私は、相談者を見て「この人は、すばらしい人だ」と心の中で呟いている)
- また、「しかし問題があり今は悩まれているなら、真に相談者のためになるように、良い気づきを自分で得て頂けるよう支援したい」というクライエントファーストの意識や、
- 「そのために、相談者がどんな経験をして(コト)、どのように感じ(ヒト)たのか、あたかも相談者と同じように感じられるよう、教えてほしい」という関心・共感も必要。(私は、相手の中に深く潜っていくイメージを持つようにしている)
- また、「相談者には、相談者の考え方や価値観があるので、それを受け入れる」という受容・肯定も必要。(私は、共感を心掛けることで自然と体現しやすい)
ポイント(行動)
- 具体的な行動のうち、もっとも基本的なことは聴くこと。(相談者が話したいことを話せるように。極論、相づちだけでも、意図をもっていればよい場合もある)
- まず、「あなたの話を聞きたいです(聞いています)」という態度を、かかわり行動(位置関係、姿勢、視線、声のトーン、話を飛ばさない・逸らさない)で示す。
- 次に、「もっと聞きたいです」という態度で、かかわっていく。冒頭では、感情表現に注目(特殊な表現や、擬態語なども)した、深堀り(相づち・繰り返し・オープン質問)が主。
- なお、相談者があまり語らない方でもOK。観察して、その反応を見れば良い。たとえば「いま、とても明るい表情をされましたね。宜しければそのお気持ちについて教えていただけませんか?」など。
- 次に、主訴を把握し、見立てに沿って意図をもって質問していく。この辺りは論述試験の練習をしていると力が付く部分。
- 面談の切れ目(面接試験なら最後の辺り)で、相談者が要約的に語ってくれたら、それも利用して一旦要約し、まとめるのも手。
- 次に、自己理解支援・仕事理解支援・意思決定支援(選択肢)…など進めていく。これは、色々引き出しを用意しつつ、相談者に合ったものを提供するのが基本。
気づき(11月初旬)
- どうしても、「何か有益なアドバイスをしないと…」「そのために主訴を捉えないと…」と意気込むと、「なるほどそうなんですね」「私はこう思いました」「なのでこのようなことは…」など自分主体に陥ってしまう。
- 仕事柄、自分主体・問題解決的・第三者的・冷静で論理的な相談が染みついているが…
- そうでなく、「相談者中心」「もっと相手に委ね、語ってもらう」ように、傾聴を心掛けること。
気づき(11月下旬)
- 日常で意識して「感情表現の繰り返し」を実践したところ、妻から「なんか、カウンセリングっぽくてイヤ」とコメントいただく。
- どうすれば良いか聞いたところ「少し…相槌とかあったうえで、ゆっくり繰り返すなら…」「聞いてくれてる」と感じれるかも。
- 大事な気づき2つ。まず、繰り返しは単調ではダメ。敬意・共感を意識して、「否定せず、受け止め、伝え返す」なら、たとえば「不安なんですね」ならトーンや調子に必ず現れるはず。
- 次に、カウンセリングは練習が大事ということ。1週間前の代表ロープレでは「基本は出来ている」と評価いただけたのに、家族との間では全くできなかったことにショックを受ける。
- たとえば、頭の中でシャドーイングして、それを振り返って試問する、というのもやってみたい。
- その際は、何か一つテーマを決めて、その点に集中すると成長しやすいようだ。
気づき(12月初旬)
- 面接試験のマインドとスキルについて。
- まず重要なマインドはロジャーズの「受容・共感・一致」。否定せずありのまま受け入れ、あたかも相談者と同じように感じられるように共感すること。そしてキャリアコンサルタントは落ち着いた状態でいられること。
- 次に重要なスキルはアイビィの「傾聴と好意的関心」およびシステマチックアプローチの「信頼関係の構築と主訴の把握」。
- とくに相談者と初対面の場合、まずは「このキャリアコンサルタントになら信頼して話せる」と思って頂かなければならない。
- そのために「あなたの話を聞いていますよ(もっと聞かせてください)」という態度と、相談者の相談したいこと(主訴)を正しく捉える力が必要になる。
SQL(確認ドリル)
- 直近はキャリアコンサルタント資格に集中する。
- ただし、本業はIT領域であることと、プログラミングやSQLを毎日少しづつ触る行為が楽しいことから、SQLの確認ドリルを1日1問解くことは続ける。
- なお、SQLはGoogle Big Queryに準拠する。
問題164
問題文
- salesテーブルを注文ID単位で見たときに、値引き品を含まない注文の販売金額の合計はいくらか求めてください。
- カラム名は「sum_rev」とします。
回答プロセス
- 「注文ID単位で見た時に」とあるので、注文IDで束ねつつ、このうち値引き品を含まないもののみ抽出し、合計を求める必要がある。
- サブクエリで「注文IDで束ね、値引き品を含まないものを抽出」し、これをfromで指定したメインクエリで、合計を求める。
- なお、値引き品かどうかのフラグはbool値の「is_proper」で管理している。
- 「ひとつもfalseを含まない」抽出をしたい場合、min関数を使えばよい。(たとえば3つのデータがtrue,true,falseの場合、min関数を用いると結果はfalseになり、true,true,trueなら結果はtrueになるため)
- 具体的には以下のとおり。
考察
- キャリアコンサルタント資格について。面接試験に向けて、カウンセリング技法をまとめた。これは日常でも実践すると、たとえば妻から「繰り返しが単調だと違和感がある」と指摘をもらい「共感が不十分だったか…」と内省できる。
- 趣味のSQL確認ドリルについて。本日は「salesテーブルを注文ID単位で見たときに、値引き品を含まない注文の販売金額の合計はいくらか求める」を解いた。
- 問題文前半の部分をサブクエリで記述することと、min関数を用いるのがコツであった。
考察のシンプル化と英訳(練習中)
- I can practice and learn the active listening in daily life.
- (傾聴は日常生活でも試し、学ぶことができます)
参考資料
- 国家資格キャリアコンサルタントになるには?/柴田 郁夫/株式会社秀和システム
- 国家資格キャリアコンサルタント学科試験要点テキスト&一問一答問題集/柴田 郁夫/株式会社秀和システム
- 国家資格キャリアコンサルタント実技試験(面接・論述)実践テキスト2022年版/柴田 郁夫/株式会社秀和システム
- 集中演習 SQL入門/木田 和廣/株式会社インプレス
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