この記事の前半は「データベーススペシャリスト資格に興味はあるが、どのようなものか?どう学ぶのか?」という方向けのものだ。2022年10月の本試験における、私自身の具体的な経験・回答・振り返りログ・統計情報を元にした考察を残している。学び中の方や、これから学ぼうとされる方の参考になれば幸いだ。
また、この記事の後半は「育児や介護、本業と両立しながら、どう学んでいくのか?」という方向けのものだ。2022年10月試験が終了したので、今後の私自身のキャリアビジョン・学習計画の検討ログを残している。学習計画を立てるヒントになれば幸いだ。
私自身のいち事例で恐縮だが、実績として「2017年10月から現在までの約5年間で」「本業はITコンサルとPMOコンサルを両立させつつ」「第一子と第二子を授かったので、家事育児を大事にするため定時帰りを継続し」「それらの合間に学び、国家資格ITストラテジスト・プロジェクトマネージャ・システムアーキテクト・データベーススペシャリストに合格」できているので、同じような環境・目標をお持ちの方のお役に立てば幸いだ。
(前半)データベーススペシャリスト資格
結果および学習のコツ ★12月22日更新★
試験結果
- 今回は以下のとおり合格できた。
- なお、午後1は自己採点の結果63~75点と予測しており、おおむね想定の範囲内。
- 午後2は自己採点の結果71~73点と予測するも、結果は62点と合格ギリギリ。
- DBは初の受験、DB設計・実装の経験ほぼなし、本業ひっ迫(担当した大型プロジェクトが難航)、家族イベント多数(第二子出産や引っ越しなど)…不安要素も多かった。
学習のコツ
- 今回の成功もふまえ、他試験にも応用できる学びのコツをなるべく簡単に整理。
- 結論から言うと、①意志力・②継続力・③集中力の3つが重要と認識。
- ①まず意志力。「この学びはやりがいがある!」「面白い!もっとやりたい!」という状態が理想。
- そのためには「その学びのどこにやりがいを感じるか」を自分なりに整理しておくことが大事。
- 理論的裏付けの例は『脳科学(脳は面白いことは頑張れる)』、『自己決定理論や内発的動機付け(自分で決めたことは効果が出やすい)』、『ナラティブ・アプローチ(自らの価値観に沿って編んだ物語は強い)』など。
- ②次に継続力。「今日はこれをやらないと、気持ち悪い!」という状態が理想。
- そのためには「ロードマップ」「習慣化」「仲間」「良い生活習慣」などが大事。
- まず、合格に必要な学習内容をざっと見積りし、大まかにいつ何をやるか決める(ロードマップ)。
- 次に、小さな単位で良いので、とにかく毎日やる(習慣化)。
- また、SNSやコミュニティなどで目標や経緯を発信する(仲間)。
- そして食事・睡眠・運動に気を配る(生活習慣)。
- 理論的裏付けの例は『ジョブクラフティング(今やっていることの意味を、より広い視点から見ることでやりがいが高まる)』、『習慣化(人間は原則省エネモードだが、毎日続けている行動は自動化されやすい』、『自己効力感(バンデューラが提唱。小さい成功体験、ロールモデルの模倣、第三者からの激励、良い生活習慣など)』『ピアプレッシャー(やる気のある仲間といると頑張れる』など。
- ③最後に集中力。「これが合格への最短距離だ!」とわかっている状態が理想。
- そのためには「実際の合格者から学ぶ」姿勢が重要。
- たとえば私はST,PM,SA,DBにおいて、合っていると感じたTACの講義を利用させて頂いている。また、その他書籍も適宜取り入れている。
- …以上のポイントを、直感的に思い出せるようにイラスト化したものが以下。
- 空手で板を打ち抜く例え。しっかり踏み込み(意志力)、体全体の勢いを乗せて(継続力)、的を絞って打ち抜く(集中力)。
- 自分の力(自分のやりたいこと)を、的(試験の問題)に向けてうまく乗せる必要がある。
- そのためには上述のポイントを意識しつつも、学んでいる最中に常に「この学びは自分にとってどう活かせるか」考えることも重要だと感じる。
難易度予測
- 実際に私が解いた問題について、自身の振り返りと掲示板やSNSの投稿などを参考に予測。
- まず、午前2は並の難易度だったと予測。過去問の再掲・改変が約5割、考えれば候補を絞り込める問題が約3~4割だったため。
- 次に、午後1問1は総合すると並の難易度だったと予測。
- 設問2(連関エンティティ埋め)の前半は本文を順に読めば埋められる易問、後半は”空欄い・う”辺りからパズル要素も求められる並問であり…
- 一方、設問1(ER図・スキーマ)は、基本的にはR3,R2 問1と同様に「トランザクション系から埋める」形式の並問であったため。
- ただし、設問1のうち”発信通話”に係る部分は難問であった。
- また、全体的に略称が多く、マスタ系の読み取りに時間を要するものであった。
- 午後1問2は総合するとやや難の難易度だったと予測。
- 設問1はSQL知識があれば解ける易問+制約やトリガの知識が必要な並問+表の読解も必要な並~難問で構成されるものであり…
- 設問2は単純計算の易問+バックアップ知識と読解・計算力が必要な並~難問で構成されていたため。
- ただし、問1に時間を要しすぎ、問2に十分な時間を確保できなかった方が一定数いると予測。
- 午後2問2は総合するとやや難の難易度だったと予測。これは以下理由。
- まず、傾向に変化があり多くの受験者が戸惑ったものと想定される。具体的には、H31,R2,R3と続いた”ER図とスキーマの穴埋めが8割”パターンでなく、H26,H27に見られた業務理解・改善が中心のパターンであった。
- 次に、単純に本文から予測できる易問が約2割程で、残りの大半は”読解に加え知識や考察が必要”な並~難問であった。
- 最後に、そもそも”ER図・スキーマ・本文の三位一体の読解”に慣れすぎ、そこに時間を多く要し、結果として設問2,3を殆ど検討・回答できなかった人が一定数いると予測される。
次回予測と対策(午前2)
- 統計の観点で見ると、午前2の役割は”受験者の約7~8割をふるい分ける”ものと考える。
- 今まで概ねその機能は果たされているので、次年度も傾向は大きくは変わらないものと思われる。
- よって対策は従来通り、「過去問の再掲を確実に取る」ことが大事になる。
- そのために、まず学習においては…「出題範囲・頻度が高い分野(DB領域)は重複を除いた過去分すべて」「それ以外(セキュリティ・他試験区分)はTAC等のテキストや、直近5年分」につき、「過去問を解き、誤ったところを振り返る。忘れた頃にもう一度やる。これを繰り返す(例えば試験3カ月前・2カ月前・1カ月前。1週間前は最終チェック)」を行う。
- 次に本試験においては…「過去問の再掲こそ確実に取れるよう、慎重に解く」ことが必要だ。
次回予測と対策(午後1)
- 統計の観点で見ると、午後1の役割は”受験者の約半分を、相対評価でふるい分ける”ものと考える。
- なお、令和3年は得点調整(加点)が多めに発生した可能性がある。(「自己採点で40点近くだったのに、結果は60点だった」「JANコードの部分が正解扱いだったのでは」などの投稿から予測)
- これを受けてかは不明だが、令和4年は易問・並問・難問がハッキリ区別され、解答がばらけ辛い問題になった印象。
- おそらく次年度も、問1・問2ともに今回に近い構成になると予測。(勿論、今回の素点による一次採点結果に、明らかな偏りが無かった場合の話だが…)
- よって対策は「平均よりやや上を取るために」「易問は確実に取り、並問は半分以上は取り、難問は何か解答は埋める」ようにすることが大事となる。
- そのために、まず学習においては…「過去一通りの”パターン”(各パターンごと、代表的な過去問を1~2問)」「直近3~5年」について、「過去問を解き、誤ったところを振り返る。忘れた頃にもう一度やる。これを繰り返す(例えば試験3カ月前・2カ月前・1カ月前。1週間前は最終チェック)」を行う。
- この際、「平均からやや上に突き抜けるための+α」をいくつか挙げる。
- ①行動力・計画力・持続力。最も有効と思われる過去問学習法は上述のとおりだが、”まずはとにかく過去問を解いてみる”行動力と、”それなりに幅広い範囲を、3カ月前・2カ月前・1カ月前に、振り返りも含めてしっかり取り組む”計画力と持続力が必要があり、これは誰でもできることではないため。(今回は本試験1カ月半前くらいから過去問学習を始めてしまい、学習は濃密になったものの”忘れるための時間”を十分に持てなかったことの反省もふまえた対策)
- ②パターン問題は、”いかに短時間で解くか”の振り返りも行うこと。”制限時間内に平均以上を取る勝負”だと、はっきり認識できている人はある程度絞られるため(今回午後1問1や、午後2問2のマスタ系読み取りに時間を要しすぎた反省もふまえた対策)
- ③弱みを作らない。どの分野でも易~並問は取れるように万遍なく過去問を解くこと。特に本試験を受験する方は「実務でSQLの変更やチューニング、DBの実装や保守運営を行っている人」が一定数以上いらっしゃるはずで、故に物理設計はある程度理解できて、問題が解けないと戦えない。この点の対策は別途考察。(今回、午後1問2の後半(バックアップ)をほぼ落とした対策)
- ④論理設計について、ER図とスキーマ埋めは勿論、業務理解・改善系は特に丁寧に振り返る(今年の傾向変化を踏まえた対策。なお、②と④を同時に満たす方法の一つが、”基本的な業務パターンと、改善対応を覚える”だと認識)
- 次に本試験においては…学習において留意したことを、焦らず本番でも実行するのみだ。
- さらに、コスパが良い+αとして、「通気性の良いマスク」「1週間前からのコンディション作り」は有効だろう。(詳細は別途、統計情報に記載)
次回予測と対策(午後2)
- 統計の観点で見ると、午後2の役割は”受験者の約半分を、相対評価でふるい分ける”ものと考える。
- なお、令和3年は得点調整(減点)が発生した可能性がある。(「ほぼ完記できたのに、結果は58点だった」「例年と傾向が同じだったため簡単すぎて、高得点帯に集中したのでは」などの投稿から予測)
- これを受けてかは不明だが、令和4年は”易問が2割、並問が2割、並~難問が4割、難問が2割”くらいの配分で、かつ業務理解・改善系の問題を多めにし、素点の分布が”平均60点の正規分布”に近いものになるよう調整されている印象。
- おそらく次年度も、問2(論理設計)は今回に近い構成になると予測。(勿論、今回の素点による一次採点結果に、明らかな偏りが無かった場合の話だが…)
- そのために、まず学習においては…「過去一通りの”パターン”」「直近3~5年」について(これは、ひとつはH31,R2,R3の”ER図とスキーマ完成中心”。もう一つはR4,H26,H27の”業務理解と改善中心”が最低限だろう)、「過去問を解き、誤ったところを振り返る。忘れた頃にもう一度やる。これを繰り返す(例えば試験3カ月前・2カ月前・1カ月前。1週間前は最終チェック)」を行う。
- この際、「平均からやや上に突き抜けるための+α」は…概ね午後1と同様。
- 本試験においては…基本的には午後1と同様。ただ、午後2は疲労の度合いがピークなので、よりスムーズに解けるよう工夫する必要がある。
本試験振り返り(当日朝、試験前)
当日朝のログ
- 起床。やや寝不足気味かつ頭痛がひどい。
- 要因はいくつか思い当たる。
- 「前日はキャリアコンサルタント資格の講義が濃密で、かなり集中したこと」「コンビニで買ったりんご酢ドリンクが美味しく2本飲んだこと(普段は飲まない)」「下の娘の夜泣きにより、夜2~3回起きたことと」などだ。
- やむなく頭痛薬を飲み、試験会場に向かう。大丈夫だろうか…不安になり気分が落ち込む。
- この後記載するとおり当日のコンディションは本当に重要。
- 対処としては、「受験を決めた時点で、本試験前日の予定はできればブロック」「本試験1週間前から体調管理に気を付ける」「本試験2~3日前はいつも通りの食事に」などだろうか…
試験前のログ
- 会場に向かう途中のコンビニで昼食を購入。具沢山おにぎり2個、バナナ、ゆで卵、大福、どら焼きを購入。
- 昼食はさっと食べられて腹持ちが良く、かつ休憩時間中の糖分補給用おやつも忘れない。
- 試験会場に到着。今回は青山学院大学が試験会場であった。
- 係員の方の誘導に従い、17号館へ。キャンパスはとても広く開放感がある。
- 教室に入ると、広い。ざっと100名は収納できるだろうか。恐らく人口密度のためか、若干息苦しさを感じ、少し暑い。
- 計画どおり、休憩時間中は必ず外の空気を吸い、リフレッシュしようと心に決める。
- 席に座る。一番前であった。椅子が…固い。さすがに木製ではないのだが、座るところにクッションがない。
- この事態は想定していたので、ストールと薄手のダウンジャケットなど防寒具を座布団替わりにする。
- なお、今まで数回試験を受けてきたが、最も良かったのはTKPのホールだった。アクセス良し、1室が適度な広さで空調良好、椅子もクッション有りと非常に快適。
- 一方「駅から徒歩数十分、1室がとても広く息苦しい、椅子が木製で固い」とあまり快適でない会場も、もちろんあった。
- そこで上述のとおり、休憩時間中のリフレッシュ、防寒や固い椅子対策は準備していた。今後も継続したい。
本試験振り返り(午前2)
午前2のログ
- 回答用紙と問題用紙が配られる。この時点で問題用紙両面にある注意事項は目を通す。特にいつも通り。
- 試験開始の合図。まずは受験番号と生年月日を記入し、マーク欄にマーク。
- ここを間違えると本当に勿体ないので、再度見直す。
- つぎに問題にとりかかる。まずはざっと見て「過去問の再掲か改変」問題は○を付けチェック。
- ○が付いた箇所が14個ほどなので、まずは安心。(15問正解したらクリアなので)
- 戦略どおり「取れるところを確実に取る」ため、過去問再掲問題から丁寧に回答を考えていく。
- 過去問の再掲(と思われるもの)は問1 BASE特性、問2 多重度、問3 関数従属、問5 正規形、問8 SQL(”上司”列のNOT EXISTS)、問10 集合演算(選択肢が微妙に変わってる)、問11 等結合演算、問12 SQL(男女それぞれの最年長社員除く)、問13 バッチ処理設計ガイドライン、問14 隔離水準、問15 ACID特性のうちA、問16 CEP、問19 AES、問22 シンプロビジョニング、問23 アクセス透過性の、合計14問。
- 次に、後ろ側の問題のうち、簡単そうなもの(データベース分野でないので、他分野や業務の知識が使える可能性がる)として問24を解く。”保守性”と言えばメンテのし易さだろう…と考え、指標として適切なものとして”イ”を選択。
- 以上で合計15個が「確実に答えられそう」となったので、まずこれらの回答を解答用紙にマークし、再度受験番号・生年月日のマークを確認する。これでほぼほぼ午前2は大丈夫、となったうえで、残りの問題に取り掛かる。
- 問4 関数従属は何だか難しそうなので、一度図を書いてみたがよく分からなかった。
- ただ、選択肢を見ると「B→C,C→B,A→{B,C}」のうちA→{B,C}をA→Bにしてるものがあり、これは正しそう…と思ったのでDやEの関数従属もチェック。合ってそうだったので”イ”を選択。
- 問6 SQL。これはとても簡単だった。選択肢ウ・エは構文ミス(INNER JOINを使ってるのに、FROM 表1,表2,表3…と記述してしまっている)、選択肢イはRIGHT OUTER JOINだと作成者ID 500,作成者氏名 NULLが作れないので、消去法で選択肢ア。
- 問7 SQL。これは少し悩んだ。商品コードで表を結合し、商品ランクで束ねて、売上額の平均を求めるだけなのだが…。一つの行において売上額がNULLになるが、これは平均の計算に含めるのか?ただ、COUNTではNULLは含まないので、おそらくAVGもそうだろう…と考え、子数にも母数にも含まない選択肢イを選んだ。
- 問9 SQL。SELECT *とUNIONの問題。”値にNULLを含む行が無い”,”列数が1である”などは、UNIONとは関係ないと思ったので除外。選択肢ウの「重複する行は存在しない」も、テーブルとして管理するなら当たり前だと思い除外。選択肢イにした。ただ、IPA回答によれば答えはウのようだ。理由はまだ不明。
- 問17 Jupyter Labの説明。「一見分からなくても、考えれば絞り込める」信念で、問題文全体を読む。すると”機械学習を用いたビッグデータ分析において”とあるので、選択肢の中で最もこれに近そうなものを選ぶ。選択肢イ。
- 問18 データレイクの説明。これも正直忘れかけていたが、「レイクって湖だよな。たぶん加工前の情報でしょう」と考え、「データを発生したままの形で格納」の選択肢エにした。
- 問20 DLP。これは正直分からなかった。Data Loss Preventionと英語がったので、”Prevention(防止)”が分かれば解けたかもしれないが…やはり英語学習は必要か…。私は選択肢エを選んだが、IPA回答はイであった。「ブロックする」とあるので、たしかに”防止”とも一致している。
- 問21 ネットワーク層の暗号化。これは私の苦手分野。他試験区分でも暗記頼りで、いまいち頭に入らない。TACテキスト掲載の過去問でTLSというワードがあったのでエにしたが、正解はアであった。まぁ、DB試験においては1~2問の出題なので良しとする。
- 問25 ドキュメンテーションジェネレータ。これは正直分からなかったが、選択肢アやエは「当たり前の機能」に見えたので除外。選択肢ウが今風(webページ)と思って選択。正解はイであった。
午前2の結果と学び
- まず、過去問再掲だが選択肢が微妙に変わっている問題があった。「学習時は、問題と答えの丸暗記でなく、回答プロセスも学ぶ」「本試験においては、再掲こそ丁寧に回答(焦るとミスる)」の徹底が重要とあらためて実感。
- また、三好先生の「午前過去問218問」は本当にやっておいてよかったと実感。2~3問は「TACテキストにはないが、過去問218問にはある」ものが出題されたので。
- それ以外は上記のとおり、まず確実に解けるものを抑え、受験番号や生年月日の記入漏れがないかチェック、その後残りをとりかかる。一見わからないものも考えて、絞り込む…と、戦略どおりの取り組み。
- 自己採点の結果、25問中21問の正解で、午前2はクリア。学習および本試験の取り組み戦略ともに、今のやり方で今後も良さそうと認識。
- あらためて、次回受験時の学習計画について。まず、「学びの戦略と計画|本試験の注意点|回答のコツ」(リンク先)はそのまま使用できるし、別途冊子にした過去問集はそのまま使える。
- それ以外のポイントは、冒頭の総評参照。
本試験振り返り(午後1)
午後1 下準備ログ
- 問題用紙と回答用紙が配られた時点で、問題用紙の表紙・裏表紙の注意事項を確認。特にいつも通り。
- 回答用紙の両面を確認。問1はER図とスキーマがあったので、データベース設計(論理設計)問題だと予測。事前の戦略どおり、まず問1は選択することに。
- 回答用紙裏面を見て少し驚く。問2はいくつか回答欄があり、問3は殆ど論述。
- 私の戦略は「午後1のもう1問はSQL多めを解く」だったので、問2を選択しようと一旦仮置きする。
- 試験開始。まず受験番号と生年月日を記入。次に「選択した問題欄」の書き忘れは一番怖いので、まず問題を選ぶことにする。
- 問1は確定として、のこり一問はざっと見ると、やはり問2の方が明らかにSQLが多かったので、問2を選択。
午後1 問1 設問1ログ
- まずは戦略どおり、本文と見出し2~3行を読み、ブロックごと横線で区切る。何となく、現状・改善・概念データモデルの「いつものパターン」だとはアテがつく。
- 次に設問をやや丁寧に読み、本文と紐づける。設問1が現状で本文3ページ、設問2が改善後で本文2ページなので、設問1に20分、設問2に15分かけようと仮置きする。
- この時点で設問文も、線を引き丁寧目に読む。また、問題冊子冒頭の表記ルールや、問題文中央にある概念データモデルの注記にもざっと目を通す。「0を含むかの記述は不要」なのでまずラッキーと思った。(考えるのが、少し手間なので)
- 続けて設問1として、ER図とスキーマだけで突き合わせ、列やリレーションの補完、スーパタイプや連関エンティティの追加がないか確認。
- 結果、追記できるものはなかった。恐らくこれに10分ほど時間を要したので少し焦る。(従来の過去問では、この作業でかなり埋まる・分かる部分が多かったので)
- 続けて本文の読解に入る。まず「現状業務の分析結果」の項番1、2は組織や製品に関する記載で、丁寧に1行づつ読んだがリレーションの追記は無かった。ただ、略称が多かったのでこの時点で大まかには覚えた。(この後の項番3で”製品使用者から”などの表現が見えたからだ。これがEU(エンドユーザ)だと分かってないと、読み落とすと懸念した)
- 最初なのでチュートリアルだと思い、スキーマやリレーションを示唆する表現に自分の知識と差がないか見たが、特になかった。
- 恐らくここまでで、10分ほど時間を要したので焦った。20分経過したのに、まだ一つも答えを埋めれていないからだ。
- 項番3「問い合わせの登録」の読解に入る。事前のアテつけ(本文とスキーマの)によれば、ここからスキーマの空欄が出てくるので注意して読むようにする。
- 今思えば、このように「スキーマの穴埋めがあるか、ないか」に着目し、読む速度を調整できていればよかったかもしれない。
- (3)の記載により、『問い合わせ』のアに”媒体区分”を追記し、『問い合わせ』をスーパタイプ、『web問い合わせ』と『通話』を排他的サブタイプにする線を追記。ようやく見慣れた表現と回答が出てきて、少し安心する。(サブタイプを排他的にするか悩んだが、”媒体区分”という名称が排他的に良く使われるもの(共存ならそれぞれ”フラグ”を持つはず)であることと、”1つの問い合わせは1回の問い合わせフォームまたは1回の通話”となっていたので、共存はありえないと判断した)
- (4)の記載により、『問い合わせ』スキーマの空欄アに”問い合わせ年月日時刻”,”問い合わせ内容”,”お名前”,”電話番号”を追記。ここで一瞬、お名前と電話番号は『EU』を参照すべきでは?と思ったが、文中に「この段階ではEUとは関連づけない」とあったので、このままで良いと判断。
- (5)の記載により、製品使用者と問い合わせを繋げるのかな…と考え、『EU』から『問い合わせ』に線を引き、『問い合わせ』に”EU番号(外部キー)”を追記。(通話と問い合わせフォームの両方があるが…と記述されてるので、スーパタイプの方とつなぐ)
- (6)の記載により、『CC』と『web問い合わせ』に線を引き、『web問い合わせ』に”社員番号(外部キー)”を追記。また、『SLP』と『SLPweb問い合わせ』に線を引き、『SLPweb問い合わせ』に”SLP BPコード(外部キー)”を追記。
- (10/11追記。「入ったweb問い合わせに対してcc要員が製品使用者に電話をかける」の表現について。他の方の回答で「ここは、『web問い合わせ』から『発信通話』にリレーションを引くのが正解。どのweb問合わせに対する発信なのかを管理するため」と書いてあり、これが正しそうだ。)
- (10/11追記。「web問い合わせに経由したSLPのBPコードを記録」の表現について。web問い合わせに「SLPフラグ」の管理が正解か。SLPのBPコードはSLPweb問い合わせに管理しており、これを参照するためのフラグ。というか、サブタイプの関係なのだから、スーパタイプ側の『web問い合わせ』には区分が必要だったな…ミス)
- (7)の記載により、『通話』に”通話成立フラグ”を追記。
- (8)の記載により、『通話』に”社員番号(外部キー)”,”通話時間”,”受発区分”,”通話音声”を追記。また、『CC要員』と『通話』の間に線を引く。(※ここでリレーション引けてたか、記憶があいまい)
- (9)の記載はコト(プロセス)と判断し、特に追記なし。
- なお、『発信通話』が残ってしまい、よく分からなかった。ただ、『通話』に”受発区分”があるので、表名から判断し『通話』がスーパタイプ、『発信通話』がサブタイプの包含関係と考え、線を引いた。
- ただ、いずれにせよ『発信通話』の属性が不明だったので、「何らかの根拠を元に、答えを埋める」信念から、”通話成立フラグ”を書いた。(これはサブタイプ側にあっても、おかしくないと考えたため)
- 項番4「問い合わせの案件化」に入る。(2)の記載は、すでにリレーションがあり、未登録または更新が必要なら~の記載は”更新プロセス”に該当すると考え、何も追加しなかった。(過去問でもたまに見かける表現)
- (4)の記載をふまえ、『案件』から『問い合わせ』に線を引き、『問い合わせ』に”案件番号(外部キー)”を追記した。
- 項番5「出張の手配」に入る。(2)の記載に”EUの了解を得て”とあったので、念のため『EU』とつなげることにした。おそらくリレーションは加点方式なので、「迷ったら書く」の信念に基づき。これにより、『出張手配』にEU番号(外部キー)、出張年月日、出張時間帯を追記した。
- 以上をふまえ、回答欄は以下のとおりとした。(現在ブログを書きながら復元しているので、正確でない可能性あり)
午後1 問1 設問1 回答メモ
- まず、リレーションは以下
- 『問い合わせ』をスーパタイプ、『web問い合わせ』と『通話』を排他的サブタイプにする線
- 『EU』から『問い合わせ』に1対多の線
- 『CC要員』から『web問い合わせ』に1対多の線
- 『SLP』から『SLPweb問い合わせ』に1対多の線
- 『CC要員』から『通話』に1対多の線
- 『通話』をスーパタイプ、『発信通話』をサブタイプとする線
- 『案件』から『問い合わせ』に1対多の線
- 『EU』から『出張手配』に1対多の線
- (10/11追記。私は書けず)『web問い合わせ』から『発信通話』に1対多の線(通話は成立しなくても1回なので、1つのweb問い合わせから見ると複数)⇒10/13追記。ITEC解答速報ではこの線は無し。TACはあり。恐らくありが正解か。
- 次に、スキーマは以下
- ア(問い合わせ):媒体区分、問い合わせ年月日時刻、問い合わせ内容、お名前、電話番号、EU番号(外部キー)、案件番号(外部キー)
- イ(Web問い合わせ):社員番号(外部キー)⇒ (10/11追記。私は書けず)SLPフラグ
- ウ(SLP Web問い合わせ):SLP BPコード(外部キー)
- エ(通話):通話成立フラグ、社員番号(外部キー)、通話時間、受発区分、通話音声
- オ(発信通話):通話成立フラグ ⇒ (10/11追記。私は書けず)web問い合わせ番号(外部キー)⇒10/13追記。TAC解答速報でも同様の答え
- カ(出張手配):EU番号(外部キー)、出張年月日、出張時間帯
午後1 問1 設問1 採点・次回対策メモ
- あくまで現時点の見立てではあるが、全体でマイナス7点と想定。(余計なリレーションや、余計な属性が減点でない場合)
- このくらいの正答率であれば、6割取るための対策としてはまずまずか。
- ただし、問1でかなり時間を費やしてしまったのは反省点。
- 改めて振り返って見ると、問題の特徴は令和4年と、令和3年・令和2年は一致していた。
- すなわち、「マスタ系に関するスキーマとリレーションは、最初からほぼ埋まっている」「トランザクション系からスキーマとリレーションの追記が始まる」「この箇所の本文はやや読み取りづらい(例えば令和3年の”ポイントの概要”や、令和2年の”発注から配送まで”)うえに、典型的な表現(〇〇を識別する、〇〇を持つ等)が少ない」などだ。
- この「トランザクション系の読み取り」は、積み上げ方式(ER図・スキーマ・本文の記述からパターンを読み取り追記していく)だとやややり辛い印象。なぜなら、「マスタに関する記述は”モノ”なので、本文中の業務プロセス説明”コト”と切り分けやすいが、トランザクションに関する記述は”コト”なので、本文中の業務プロセス説明とごっちゃになる」からと想定。
- これは本試験では思いのほかストレスになる。結果、確信が持てず何度も読み返してしまい、時間がムダにかかる。
- では、どのように学習・対策すれば良いだろうか。まず、過去問を繰り返し解いても、すでに「本文のどこに反応すれば良いか」覚えてしまっているので効果は薄そうだ。
- それよりも「代表的な業務パターンと概念データモデル」をある程度理解しておき、仮説検証アプローチを取るのが有効そうだ。
- たとえば令和4年なら、まず仮説を立てる。「問い合わせ業務か。普通は『問い合わせ』のトランザクションエンティティを用意して、ここから『顧客』と『コールセンター』のマスタエンティティを参照。明細があれば『問い合わせ』の下にぶら下げて、必要に応じて『商品』とかを参照するイメージかな?」
- 続けて検証する。(本文を読んで)「まずは『問い合わせ』そのものの説明か。おっ、『顧客(エンドユーザ)』に関する記述が出てきたな。ここで繋げるということか…」のように。
- IPAとしても、「実際に仕事に活かせる」方を合格させたいだろうし、三好先生の本でも「経験豊富な他受験者と戦うには、業務パターンの暗記が必要」と書かれていたので、おそらくこの方向だと思う。
- あらためて、次回受験時の学習計画について。午後は実技試験かつ相対評価なので、「実際に手を動かし、振り返って研究。これを間隔を置いて繰り返す」ことが必要だ。
- なお、問題を振り返る際は三好先生の本P26のアドバイスのとおり、「業務別の標準パターン」と「過去問の概念データモデルと関係スキーマ」をある程度覚えにかかる。これは+αの学習。できれば「具体と抽象」のテクニックを使い、本質的な構造を抑えたいところ。これにより、仮説検証アプローチが可能になり、自信を持って回答できるので試験にも有利だし、当然実務面でも一生モノの知識だと思う。
- それ以外のポイントは、冒頭の総評参照。
午後1 問1 設問2ログ
- 次に設問2に入る。まず当初戦略どおり、ER図とスキーマだけで突き合わせを行うも、追記できたのは『ユニット』から『要点検修理FAQ』の1対多の線のみであった。
- 次に本文読解に入る。1(1)②の記載から、製品シリーズとユニットの間で連関エンティティ(a)を持つと読める。そこで空欄「あ」は「製品シリーズ」が入り、スキーマには製品シリーズコード(主キー)、ユニットコード(主キー)を追記。
- 1(2)の記載から、ユニットと要管理機能部品との間で連関エンティティ(b)を持つと読める。そこで『要管理機能部品』から『b』に1対多の線を引き、スキーマにはユニットコード(主キー)、機能部品番号(主キー)を追記。
- 2(1)③の記載から、『要点検修理FAQ』と『点検修理項目』の間で連関エンティティ(f)を持つと読める。そこで空欄「い」は点検修理項目が入り、スキーマにはFAQ番号(主キー)、MTコード(主キー)を追記。
- 2(1)④の記載から、おそらく(e)に『関連FAQ』が入ると予測。このためスキーマにはFAQ番号(外部キー)、関連度ランクを追記。
- 2(2)の記載から、『FAQ』と『KW』の間で連関エンティティ(c)を持つと予測。このため『FAQ』から『c』に1対多の線を引き、スキーマにはFAQ番号(主キー)、KW(主キー)を追記。
- 2(3)の記載から、『案件』と『FAQ』の間で連関エンティティ(d)を持つと予測。このため空欄「う」には「案件」が入り、スキーマには案件番号(主キー)、FAQ番号(主キー)、可能性順位を追記。
- なお本試験においては、焦って空欄「う」に点検修理項目、空欄「い」に案件を入れてしまった。ただ、その後見直しで誤りに気づけた。(記載2(1)③で、点検修理項目と要点検修理FAQを関連づける記述があるので、空欄に入れるものは反対と気づき)
- やはり1行づつ丁寧にとは言っても、本試験では焦りもあるし間違いも起きる。
- よって、まず学習段階では過去問ベースで慣れ、回答速度を上げる。本試験ではコンディションを良好に保ち、戦略どおり解き、かつざっと見直し…と、計画力・持続力・読解力・集中力と複合的な能力が求められる。
- もちろん、業務経験があると反応速度は極めて速くなるが、大抵(私も)業務経験範囲は限定的なので…意識して複数業務を経験(または読んで仮想体験)しつつも、何度か挑戦していればいつかは「これは分かる!」という問題にあたるかもしれない。
- すなわち、「高度試験は知識のみならず、複合能力の鍛錬に有効」かつ「何度か挑戦していれば、いつかは合格できる可能性は高い(自分の業務経験にヒットして)」という気づきを得た。
午後1 問1 設問2 回答メモ
- まず、リレーションは以下
- 『ユニット』から『要点検修理FAQ』の1対多の線
- 『要管理機能部品』から『b』に1対多の線
- 『FAQ』から『c』に1対多の線⇒10/13追記。TAC・ITEC解答速報ともにこの線を2本引いていた。
- 次に、空欄エンティティは以下
- 空欄「あ」:製品シリーズ
- 空欄「い」:点検修理項目
- 空欄「う」:案件
- 次に、スキーマは以下
- キ(a):製品シリーズコード(主キー)、ユニットコード(主キー)
- ク(b):ユニットコード(主キー)、機能部品番号(主キー)
- ケ(c):FAQ番号(主キー)、KW(主キー)
- コ(d):案件番号(主キー)、FAQ番号(主キー)、可能性順位
- サ(e):FAQ番号(外部キー)、関連度ランク⇒(10/11追記。私は書けず)主キーに”関連FAQ番号”を追記されている方がいた。確かに、FAQ同士を結び付けるために必要そうか…⇒10/13追記。TAC解答速報でも関連FAQ番号であった。この場合、部分点を貰えるか不明。
- シ(f):FAQ番号(主キー)、MTコード(主キー)⇒(10/11追記。私は書けず)これは、FAQ番号でなく、要点検修理FAQ番号と回答されている方がいた。おそらくそちらの方が丁寧なので正解。(FAQ番号でも〇にはしてくるか?不明)⇒10/13追記。ITEC・TAC解答速報ではFAQ番号であった。)
午後1 問1 設問2 採点・次回対策メモ
- あくまで現時点の見立てではあるが、全体でマイナス2~4点と想定。
- このくらいの正答率であれば、6割取るための対策としてはまずまずか。
- この設問は連関エンティティ中心であったため、過去問中心のトレーニングの成果が出た認識。
午後1 問2 ログ兼回答メモ
- 問1に時間を要してしまい、問2を開始できたのは試験終了35分くらい前であった。少し焦る。
- もう読解の仕方(本文、設問…)は問1で慣れたので、問2はサクサクと実施。
- ここは時間との勝負だったので、ケアレスミスは恐れず、一気に回答していった。
- 設問1(1)aは”商品コード”。『見積回答明細』と『商品』をつなぐものはこれだけなので。
- 設問1(1)bは”OR”。モデル名または定価のいずれかが、とあるので。
- 設問1(2)は、「見積依頼明細」と「見積回答明細」につき、「参照制約」を変更。商品表を外部キーで参照しているので。
- 設問1(3)c,dは”商品コード”,”適用開始日”。明細の主キーに適用開始日を使うのはセオリーだし、「同一の適用開始日に、同一の商品を複数回更新することはない前提」と記載があるので。
- 設問1(3)e,fはいずれも”AFTER”。チェックだけでなく実更新も行っているので。(10/11追記)eを”BEFORE”とされている方が2名。UPDATEをしているので、AFTERかと思ったのだが、間違いかもしれない…⇒10/13追記。TAC・ITEC解答速報でもBEFORE。
- 設問1(3)g,hは”OLD2”,”NEW2″。挿入行は原則OLD2(更新前)を使いつつ、適用終了日には「更新後の行の~」と記述があるので。
- 設問1(4)jは”2022-09-01″。これは「既に埋まってる箇所をヒントにする」戦術から。表5の1行目でモデル名M1の適用開始日が2019-04-01となっており、これは表4の見積もり依頼番号をキーに、表3の見積回答日を参照してると判断。これと同じようにモデル名M1-2を見ると、jが導ける。
- 設問1(4)iは”2022-08-31″。今までのSQL記述と一般常識から、ここにはjの前日が入ると考えたため。
- 設問1(4)kは”NULL”。表4を見るに商品コード1の単価・モデル名はM1-2以降変わっておらず、図3の注記にNULLを返すむねの記述が目立つので。
- 設問1(5)は、商品テーブル更新行は2,3,5,6、商品履歴テーブル挿入行は1,2,4,5。これは単純に、「履歴」なのだから、例えば商品コード1なら変更前として行1,2でしょ…と考えた。このあたりになると終了10分前くらいなので、とにかく直感とスピード重視で回答していた。⇒10/13追記。TAC・ITEC解答速報ともに「商品:3,5,6」「商品履歴:1,2,4」であった。他の方も1名、この解答であったため恐らくこちらが正解か。部分点が貰えればありがたい。
- ここで終了10分前なので、「RTOの計算は全然分からない」「でも、論述式のほうなら、部分点が貰えるかも…」と考え設問2は(2)、(3)から埋めた。
- 設問2(2)は「非同期型では、複製先のログへの到達を待たずに複製元のコミットがされるから」。レプリケーションの仕様を転記しただけ。⇒(10/11追記。私は書けず)回答は「複製先へのログの到達を待たずに見積システムが処理できる」のようだ。部分点が貰えればありがたい。⇒10/13追記。ITEC解答速報は「複製先へのログの到達を待つ必要がなくコミットが出来るため」であり、私の回答(仕様を転記するのみ)に近い。
- 設問2(3)は「複製元のコミットがされた後、複製先の変更が行われた場合」。これもレプリケーションの仕様をほぼ転記し、後ろは曖昧な表現を使っただけ。⇒(10/11追記。私は書けず)回答は「複製先へのログの到達前に切り替わると消失がある」のようだ。部分点が貰えればありがたい。
- 設問2(1)は「ア:データ量」「イ:1440」「ウ:18000000」「エ:1800000」「オ:900000」とした。もう終了5分前なので殴り書きである。イはフルバックアップが1日分なので24時間×60分で1440分。ウは愚直に180Gバイトを100Mバイト/秒で割っただけ。エは10ページと記載が見えたのでウを10で割っただけ。オは2ミリ秒という記載が見えたのでエを2で割っただけ。⇒(10/11追記。私は書けず)回答アは「アーカイブログ」らしい。イは「5分」、ウは「1,800秒」、エとオは回答がまばら。
- ここまで記述し、最後にもう一度受験番号、生年月日、選択した問いのマルを確認し、終了。
午後1 問2 設問2 採点・次回対策メモ
- あくまで現時点の見立てではあるが、設問1はほぼ完答(マイナス2~8点くらい?((5)が完答でないと不正解の場合))、設問2はほぼ全て×(論述で部分点が4~6点貰えるか?)と極端な結果。
- SQL問題については、このくらいの正答率であれば、6割取るための対策としては十分そう。
- 一方、設問2は「問1で時間を使いすぎた」「物理設計のうち、回避していたバックアップが出た」の二重の要因により大きく外す。
- 次回受験時の対策は、総評に記載のとおり。
午後1 自己採点総計
- 問1でマイナス9~11点、問2でマイナス16~26点となった。総計で63~75点くらいか?⇒10/13追記。これは、TAC解答速報の配点によるもの
- 午後試験は相対評価(という噂)なので、回答速報を見て採点しても当然確実ではない(そもそも、このブログに書いたとおりに回答できたかも確実でない)ので、いずれにせよ結果を待つしかない。
- とはいえ、今回初受験しては確実に手ごたえはあったので、もし不合格であっても上述の学習計画を参考にしながら、楽しく受験を続けていきたい。
- 大事な気づきをもう一度再掲。
- 本試験は本当に緊張するし、実力が思うように発揮できないこともある。よって、まず学習段階では過去問ベースで慣れ、回答速度を上げる。本試験ではコンディションを良好に保ち、戦略どおり解き、かつざっと見直し…と、計画力・持続力・読解力・集中力と複合的な能力が求められる。
- もちろん、業務経験があると反応速度は極めて速くなるが、大抵(私も)業務経験範囲は限定的なので…意識して複数業務を経験(または読んで仮想体験)しつつも、何度か挑戦していればいつかは「これは分かる!」という問題にあたるかもしれない。
- また、当然人によって得意分野は異なり、私はやはりコツコツ論理設計系と、SQL系を得意とする。
- すなわち、「高度試験は知識のみならず、複合能力の鍛錬に有効」かつ「何度か挑戦していれば、いつかは合格できる可能性は高い(自分の業務経験や得意分野にヒットして)」という気づきを得た。
本試験振り返り(午後2)
午後2 問2 ログ
- 戦略どおり休憩時間におやつ(どら焼き)を食べ糖分補給。外に出てマスクを外し深呼吸し、リフレッシュ。
- あらためて思ったのが、マスクは息苦しい。私は通気性のよいピッタマスクなのだが、それでもパフォーマンス低下が懸念される。
- 対策として、「とにかく通気性が良く、付け心地が良いマスク」を吟味しておくのは真面目にありだと思った。
- さて、午後2回答用紙が配られてとても驚いた。問2の論理設計問題の回答欄で、スキーマを埋める部分が5枠くらいしかない!
- しかも、問2,問3と続いており、テーブル名や列値など入れる見慣れない形式。
- 今までは午後2問2ではER図とスキーマを埋める部分は8~9割で、残り1~2割で新業務の問だったので、大きく配分が変わった印象。少なくとも、ER図とスキーマの埋めがここまで削減されるとは予想外。
- とはいえ、問1の物理設計に挑戦するほど実装の知識は無いので、当初予定どおり問2を選択。
- 受験番号、生年月日、選択した問を忘れず記入。
- スキーマとリレーションはきわめて膨大だが、穴埋め箇所が少ないので、セオリー通り「ER図とスキーマ突き合わせ」や「本文を前から1行づつチェック」するか悩んだが…これらをやらないと、業務と概念データモデルのイメージがつかめず、結果として回答できないと考え、当初戦術通りやることに。
- 約6ページにもわたり丁寧に見ていく作業はかなり苦痛であった。何しろ、時間は数十分かかるのに、殆ど回答が埋まらないのだから。疲労のためかテンションがややおかしくなり、笑みが湧いてきた。ここで少し気分が変わり「楽しんでやってみよう」というモードに転換。心の中で「はいはい、次は予約業務ね、なるほど…」と一人自問自答しながら進めていった。
午後2 問2 ログ兼回答メモ
- 設問1(1)アに入るのは「販売区間」。見出しの中でこれだけ、スキーマが無いので。
- 設問1(1)追記リレーションは以下。
- 『航路明細』→『ア』→『運賃』。これは1(6)販売区間の前後の記述から。⇒ (10/11追記。私は書けず)『航路明細』から『ア』に2本リレーションを引いている方がいた。確かに『ア』は乗船港と下船港を持つので、必要そう。⇒10/13追記。TACも2本引いている。
- 『運航スケジュール』→『運航スケジュール明細』→『等級別在庫』。これは位置関係や、本体と明細の関係や、スキーマの中身を見て判断。
- 『港』→『運航スケジュール明細』。これは、『運航スケジュール明細』に港名が無かったので、表3を作るには何が足りないかの観点で判断。⇒10/13追記。TACは『航路明細』から『運航スケジュール明細』に引いていた。こちらの方が正解かもしれない。
- 『宿泊区画』→『船型別宿泊区画』。これは位置関係やエンティティ名から判断。
- 設問1(2)イ「顧客登録無予約客」、ウ「顧客登録有予約客」、エ「顧客登録有乗船客」、オ「顧客登録無乗船客」。これは、『予約客』『乗船客』ともに”顧客登録有無区分”を持っているので、これでサブタイプを切り出すと予測できることと、リレーションでウとエは顧客から紐づいているため。
- 設問1(2)リレーション。一つは『予約』から『乗船』への1対1の線。(もう一つは何かしら書いたと思うが、忘れてしまった)⇒ (10/11追記。私は書けず)『予約客』から『乗船客』にリレーションを引いている方がいた。確かに予約客のデータは乗船客に引き継ぐ旨の記載があるので、必要そう。⇒10/13追記。TACは『予約』から『予約有乗船』へ、『予約客』から『予約有乗船客』に線を引いていた。
- 設問1(3)「航路番号(主キー)、乗船港コード(主キー)、下船港コード(主キー)、販売区間名」。設問1(1)で回答のとおり、「販売区間」エンティティとアテをつけ、本文中の記述から回答。
- 設問2(1)(a)テーブル名:等級別在庫、列名:利用可能個室残数、利用可能ベッド残数。
- これは凄く悩んだ。予約有無で変わるなら…と思って『予約』と『乗船』のスキーマを見比べたり、本文中記述を列名一つ一つチェックしたり…でも分からない。
- ここで落ち着いて、仮説検証アプローチを取ることにした。
- まず仮説を考える。「落ち着け、落ち着け…。そもそも予約無しで乗船したとき、何が問題だ?…もしかして、部屋の残席とか?」
- 次に検証する。「そういえば、2(3)②、③の在庫管理に関する部分は、殆ど設問1で触れてなかったな。ん?ここに”経由港を出港する時点の残長・残数も…”とあるな…。」「問題文でも”出港時に”とあるし、恐らくこれだろう!」「とはいえ、まだ確信がないので、一旦bもやってみるか…」
- 設問2(1)(b)主キー列名:航路番号、出発年月日、港コード、等級コード。特に「書いてはいけない」とは無かったので、念のため全て主キーを示す下線を引いた。
- 設問2(1)(b)主キー列値:航路番号は4行とも01(シングルコーテーションを付けたかは、忘れた)、出発年月日は4行とも2022-03-14、港コードは003,004,005,006、等級コードは4行ともDX。これらは主に表3から転記したのみ。⇒ (10/11追記。私は書きすぎ)港コード006の行は書かない方が2名。もうこの段階では、ベッド数などの更新が不要なためだろう。とはいえ、港コード006の行を書いたとしても全部×でなく、数点減点と予測。(別に列値については、”変更されないものは書いてはダメ”とは書かれてないので)
- 設問2(1)(b)変更する列名:等級コード、変更内容:等級DXの残数が無くなった場合に、他の等級に変更。これは、もう予測の世界。等級ごとに宿泊残数を持ってるので、出港のどこかで飛び込み客が増えて数が埋まることはあるだろう…という予測。⇒ (10/11追記。私は書けず)「利用可能個室残数、利用可能ベッド残数について、変更前より1引く」と書かれた方が2名。確かにここは主キー以外の変更なので、こちらが正解だろう。⇒10/13追記。TACも同様の回答(※設問2(1)(a)で非キー属性の変更については答えていたことと、表に主キーを列値まで書かせることから、本問では”主キーのいずれかを変更するもの”と思い込んでしまった)
- 設問2(2)aは「積載可能車両残長」、bは「車両全長以上」。これは制約の内容と、「まぁ車の長さだよね」という直感から。bは”以上”という文言も忘れず。
- 設問2(3)「往路は乗船年月日の6日前以降のキャンセルだが、復路は乗船年月日の6日前以前のキャンセルの場合」と回答。(字数の関係で少し丸めた表現にしたはず)⇒10/13追記。TACは”7日前以前”としていた。ここは部分点になるかもしれない。(意図には気づいているので)
- これはやはり仮説検証アプローチ。
- まず仮説。「往路だけキャンセル料発生?日数の問題かな。往路が10/1からで、復路が11/1からとして、9/30にキャンセルしたら、往路だけ乗船6日以内だよな…」。
- 次に検証。「本文中で、往路、復路それぞれ乗船年月日を持つ記述があるな。正しそうだ」
- 設問3(1)。このあたりで残り20分ほどになったので「何らか根拠を持って、とにかく埋める」戦術発動。
- 『宿泊区画状態』に”宿泊区画予約区分”、『予約』に”宿泊区画番号”追加。個室やベッドは宿泊区画で管理しており、予約と紐づけるならこうかな?という程度の思考。⇒ (10/11追記。私は書けず)『予約』に”予約時個室宿泊区画番号”、『予約客』に”予約時大部屋泊区画番号”と書かれている回答あり。こちらが正解の場合、私は半分くらいの正解か。⇒10/13追記。TACも類似の回答で、かついずれも”フェリー番号”を入れている。
- 設問3(2)『予約』に”代表予約番号”。自己参照する形かしら?という程度の思考。
- 設問3(3)(a)「仮予約か本予約かの状態を判別する役割」。新規要件1(3)の記載から推測。⇒ (10/11追記。私は書けず)”キャンセル待ち”もステータスとしてあるので、書いてないとやや減点か。
- 設問3(3)(b)テーブルは『予約キャンセル』、契機は「行の追加時」。予約キャンセルが発生した場合に、とあるからこうだろう、という程度の思考。
- 設問3(4)『乗船客』テーブルに”下船時精算額”、『乗船客』テーブルに”支払方法区分”。これは本文中の記載からほぼそのまま回答。設問が「2つのテーブル」なので恐らく間違いだが、どちらかは当たるだろうということで、やむなし。⇒ (10/11追記。私は書けず)『船内売上』に航路番号、出発年月日、乗船客番号という回答あり。こちらが正解な場合、私は半分の得点。
- 設問3(5)「まとめ精算(まとめ精算番号(主キー)、航路番号(主キー)、出発年月日(主キー)、港コード(主キー)、精算合計金額」。これは設問中に主キーの言及があり、本文中に非キーの言及があるため。
- 『乗船客』テーブルに”まとめ精算番号(外部キー)”。もうこれは残り1分で書いたので、適当。
午後2 自己採点総計(次回受験用)
- 現時点で、明確に誤っていそうなものを減算していった結果、総計で71~73点くらいか?⇒10/13追記。TACの配点基準によるもの
- 午後試験は相対評価(という噂)なので、回答速報を見て採点しても当然確実ではない(そもそも、このブログに書いたとおりに回答できたかも確実でない)ので、いずれにせよ結果を待つしかない。
- とはいえ、6割を目標とする学習なら、このくらいで十分か。
- 次回受験時の計画。記事上部の総評に記載。
統計情報を元にした考察
調査のきっかけ
- Twitterにて「令和3年の得点分布をグラフ化したもの」を投稿された方がいらっしゃった。
- 自分の統計の学びのため、データベーススペシャリスト試験の得点分布を題材に、基本的な値を計算しようと思い立った。(過去リンク先)
調べた内容・方法
- 内容は「直近3か年における得点分布・平均点・標準偏差・偏差値」
- これは、IPAの得点分布(googleで”データベーススペシャリスト 得点分布 令和3年”などで検索)を元に、以前統計について学んだ際の知識を用いて計算。
結果
- 例えば令和3年の午後1は、得点分布・平均点・標準偏差・偏差値は以下のようになった。
- 平均は約60点(赤色)、標準偏差は約19点(オレンジ色)、偏差値は赤枠内だ。
考察(合格ライン群団の偏差値)
- ここで、合格ライン(得点60~69点)群団の偏差値に注目してみる。
- 令和3年午後1の合格ライン群団の偏差値は、上記黄色セルのとおり約53だった。(小数点1位四捨五入)
- 直近3年を同じように計算してみると、「H31 PM1 51、H31 PM2 55、R2 PM1 53、R2 PM2 56、R3 PM1 53、R3 PM2 54」であった。
- よってまず、「午後1試験・午後2試験それぞれの合格ライン群団(得点60~69点)の偏差値は、直近3年において51~56である」ことがわかる。
- 言い換えると、偏差値は「平均を50としたとき、全体の中における自分の位置」なので、少なくとも直近3年は「午後1試験・午後2試験のそれぞれで、平均よりやや上の点数なら合格」と判断されたことになる。
考察(採点方法の予測)
- 前提として、午後試験が選択制である以上、「選択問題によって偏りが出ないよう、それぞれの問題ごとに素点と偏差値を求める」のは自然と考える。
- たとえば、仮に”午後2問1の物理設計が超難問で、問2の論理設計が超易問”という年があったとき、自然体の点数では問2を選んだ方が有利となってしまい、”物理設計が得意な優秀な方”が合格できなくなってしまう。
- また、仮に”全ての問題が超難問”という年があったとき、素点で誰も60点を超えなかったとしたら、合格者は0人となってしまう。これでは、”比較的優秀な方”が合格できないばかりでなく、次年度の受験者数にも悪影響を及ぼす可能性がある。(誰も受験しなくなる恐れ)
- これらの事情から、午後1試験で偏差値51~56付近の人を合格にし、さらに午後2試験で偏差値51~56付近の人を合格にする…というように「偏差値基準で合否を決めている」ものと予測できる。
- また、ここ10年ほどにおいて本資格の合格率は約14~18%である。
- これは、まず午前1受験組(約4割)と午前1免除組(約6割)に分かれ、午前1受験組の約6割が午前1に合格して…
- 午前2受験組(全体の約8割)のうち、約8割が午前2に合格して…
- 午後1受験組(全体の約64%)のうち、約半分が午後1に合格して…
- 午後2受験組(全体の約32%)のうち、約半分が午後2に合格して…
- と計算していった過程と推測できる。
- 以上より、「午後試験は相対評価」「各設問の、平均よりやや高い点を取ることが合格目標」であることが概ね予測できる。
- なお、参考までに司法試験は「問題による難易度の差や、採点委員による差を調整するため、標準偏差の考え方を用いて得点調整する」ことと、その数式が正式に公表されている。
- 高度情報試験の合格発表まで時間がかかるのも、同様に「できるだけ公平になるような配慮・調整」によるものと予測される。
考察(統計情報をふまえた学習方針)
- さて、上記をふまえると、学習方針と本番の戦略も仮説が立てられる。
- 午後試験の目標が「60点以上を取ること」でなく「平均点以上を取ること」だとすると…
- 本番の戦略は「易問(受験者全員が解けるもの)は確実に取る」「並問(受験者全員が少し考え、半々くらいで解けるもの)は半分以上は取る」「難問(受験者全員がほぼ解けないもの)は解かなくてもよい」となる。
- つまり、焦らず落ち着いて、練習どおりに易問と並問を解いていき、難問に当たったらハマらず「これ(難問)は他の皆も解けないから、おそらく差がつかない問題だ。よって、これ以降の問題を先に解き、まず易問と並問の回答を埋めよう」と考える。
- そして、そこに向けた学習方針は「受験者の皆がやりそうなこと+α(少し)」となる。
- “皆が今回やってそうなこと”が「データベースの基礎知識(論理・物理・SQL)を講義や書籍で一通り理解」「直近3年分の過去問と、講義や書籍で扱う特徴的(何度も出てるような)な年度の問題を実際に、何度か解く」「ある程度パターン化して、たとえば”ER図とスキーマの完成”,”基礎理論”,”SQL穴埋め”,”処理性能の計算”…などは問題が変わっても、即時解けるように練習しておく」「そのうえで、自分の得意・不得意を踏まえ、選択する問題をある程度決めておく」だとして…
- 令和4年度の問題傾向と、社会情勢を踏まえると…「直近3年はもちろん、とくに午後2は類似する過去問(H26,H27)を研究し、三好先生やTACなどプロの分析をふまえ、対応できるようにしておく」も”皆がやること”に含まれるだろう。
- つまり私の場合で言えば、もし来年再受験する場合「今回やってきたことを総振り返り」および「令和4午後2の類似研究と(ある程度の)パターン化」はMUSTになる。
- 学習においても、易問や並問にこそ時間を使い、難問は程々にしておくのもコツだろう。
- さて…それでは“突き抜けるための+α(少し)”は何だろうか。
- いくつか考えたが、コスパが高いものを(結構真面目に)考えた。
- ①(環境面)通気性が良く、呼吸がしやすいマスクを用意しておく。これは数百円でできて”他と差をつけられる”ものだと考える。なぜなら、「本試験で緊張し呼吸が浅くなっているところに、マスクをつけると頭がボーっとして思考が浅くなる」うえに「今回見まわした限り、多くの人がサージカルマスク(大変息苦しい)を着用していた」からだ。
- ②(環境面)コンディションの配慮。具体的には「試験前日の予定ブロック」「試験1週間前は仕事を調整し、少しでも楽に」という計画を、受験を決めたときすぐに予定として入れ、(可能な範囲で)周囲に知らせておく。これも他と差をつけられるものと考える。なぜなら、大半の人は「試験1週間前だろうと仕事が大変忙しい」「前日の土曜日も、家族との時間など何らか予定が詰まっている」からだ。
- ③(学習面)業務知識の習得。これは、本来王道なのであろうと思う。普段から物理設計や論理設計を手掛けている人(そしてできれば、DX案件を切り盛りしている人)こそ、国が欲している人材だからだ。
- ただ…少なくとも私は付け焼刃で、これを習得するのは難しい。となると、三好先生が御本で記載のとおり「業務経験が無い場合、典型的な業務パターンと、過去問のER図・スキーマを覚える」ことが必要で、とはいえ丸暗記しても全く応用できない。
- なので、上述の「令和4年の傾向分析から見えた、午後1・午後2の対策」において「小手先の丸暗記ではなく、”なぜその解答に至るのか”のプロセスを、かなり真面目に取り組む」のが最短と思われそうだ。
- 念のためではあるが、上記①~③は「皆がやっていそうなことをやったうえでの」+α戦略となる。よって当たり前だが、学習をあまりしないで、良いマスクを買えば合格できるわけでは…当然無い(笑)
(後半)今後のキャリアビジョンと学習計画
データベーススペシャリスト資格は一旦終了したため、次の学びロードマップを検討。以下のとおり検討ログを残す。データベーススペシャリスト資格に限らず、キャリア形成のための学習計画を立てるうえでの参考になれば幸いだ。(ただし、以降の記述はあくまで私個人のもので、一部は未来予測である点に注意いただきたい)
学習計画の立て方
基本方針と過去実績
- 私の場合は、まず「自分のコンパス(価値観等)と方向性(キャリアビジョン)を整理」し、そこから逆算して何を優先的に学ぶか決める。
- 今までも、同様のやり方を紙に書くなりで行ってきた。結果として本記事冒頭の本業・育児・学びの両立を実現できた。
私の価値観・強み・社会情勢
- 私の価値観は「熱意」「シンプル」「貢献」だ。一見複雑なことについて熱意を持って学び、シンプルな本質を捉え、解決策や活用法を考え、人に伝えて役立つことに喜びを見出す。
- 次に、私の強みは「計画」「読解」「説明」「感謝」「誠実」「内省」だ。価値観と興味に基づき目標と計画を立て、必要な情報を読み取り、周囲に説明する。
- 最後に、社会情勢で重要と思われるのは「自分らしい働き方」「良い意味で自分勝手」の必要性だ。終身雇用・年功序列の終わり、少子高齢化、超円安と世界的不景気などの背景のなか、自分のキャリアを自分で構築する必要がある。
自己理解の深化(価値観・興味)
- キャリアコンサルタントの学びを活用し、私自身の自己理解を職業興味・価値観の観点で深める。
- 自己理解を深めることは大事だ。それは人生の柱となり(キャリア理論では、キャリア・アンカーやアイデンティティ等とも呼ばれ、周囲に流されないための寄る辺)、伸び伸びとした活動に繋がり(キャリア理論では、自分の興味と価値観に合った職場で人は活躍できるとされる)、もって、自己を含む自分の居場所を見出し、幸せになれるからだ(アドラーの理論にも近い)
- まず、日本版O-NETで「職業興味検査結果レポート」を出力(ホランドのVPI職業興味検査を簡易にしたもの)。私の興味は1位が「調査や研究のように、知識・情報・データを扱う仕事」、2位が「デザインのような創造的な仕事や活動」、3位が「企画・実行」と出た。
- 続けて、「仕事価値観検査結果レポート」を出力(シャインのキャリアアンカーを簡易にしたもの)。専門・自由・奉仕・生活に係るキーワードが出た。
- これらはあくまで思考の補助ツールであり、これらを元にコンサルティング等で「自分の言葉で話す」「聞いてもらう」ことで、より理解が深まる。
今後のキャリアの方向性
- コンセプトは「人生を楽しく」。大方針は「健康・家族が第一」「本業と副業を5:5に」「学びは生涯続けたい」だ。
- ここでキーファクトになるのは「汎用スキル」と「専門性」の蓄積と見える化だ。
- 「汎用スキル」とは、人生のあらゆる場面で使えるものであり、読解力・計画力・持続力・集中力・コミュニケーション力などだ。
- 「専門性」とは、自分が好きで続けられ、結果として希少性が高くなり価値が生まれるものだ。
キャリアの振り返り
学生時代の振り返り
- 高校時代は特に「論理を用いて探求する」ことに興味を示す。哲学や論理学の独習、コンピュータ関連ではパソコン自作やプログラミング学習を行う。
- 大学時代は「論理の深堀りと、実社会の活用」をテーマに、経済学・経営学・簿記・統計・英語・コンピュータ等を幅広く学ぶ。
- これらの学びを経て「一見複雑に見える社会・経済活動をよく観察し、原則に基づき解きほぐし、コンピュータ等を用いて解決、社会貢献する」という「やりたいことのビジョン」が明確になる。
- ビジョンに基づき、就職活動を開始。「ダイナミックな社会・経済活動を」「統計やコンピュータを多用して行い」「社会貢献する」観点から、大手の保険会社を中心に就職活動を開始。
- この当時はいわゆる就職氷河期だったため、幅広めに金融系もエントリー。結果として、大手生命保険会社に正社員総合職として入社。
入社から現在までの振り返り
- コンピュータ系の職務希望が叶い、入社当時からソフトウェアエンジニアとして3年の経験を積む。
- 開発担当者としてのプログラミングから始まり、サブリーダとしての複数プロジェクト統括を経て、関連知識のほか実践的な読解・プレゼン・コミュニケーションスキルを体得。
- 学生時代とは異なる「日系大企業特有の内向き・慣習的な作法」に苦労するも、周囲のサポートも受け何とか折り合いをつける。
- 続けて、同社内でITコンサルタントとして約14年、PMOコンサルタントとして約3年の職務経験を積む。
- 社内大型案件の企画・推進から始まり、社外大型案件や、社内外案件の横串統括を経て、関連知識のほか実践的なビジネス・マネジメントスキルを体得。
- 第一子の誕生を契機に、家事育児を大事にするため定時帰りを宣言・継続。また、社外パートナーとの交流を経て視野が拡大。
- 自分のやりがい、家族との時間、社会貢献のバランスを取るため「自分のキャリアを自分で作る」意識が向上。
- それにあたり、今までのキャリアを整理・見える化するため本業の合間に関連資格学習を開始。国家資格ITストラテジスト・プロジェクトマネージャ・システムアーキテクトに合格。
- これらをもって「IT戦略の企画・推進、プロジェクトマネジメント、システム開発・設計」について一定以上の実務経験(20年)と知識・スキル(国家資格)を対外的に示せるようになった。
自己理解の深化(より具体的に)
- キャリアコンサルタントの学びを活用し、私自身の自己理解をより具体的に深める。
- まず、ジョブ・カードおよびライフラインチャート(人生満足度曲線)を作成し、職務経歴・主要トピック・各タイミングでの満足度を可視化した。
- そして、それを人に話してみることで脳が活性化し、ドラマチックかつダイナミックに自分の人生を振り返ることができた。とくに、苦労した思い出やそこからどう復調してきたかの語りは、自分の価値観や強みを知る上で重要だ。
- そこから気づいた私の傾向は次のようなものだ。
- 「全般管理でなく、特定専門」。
- 論理を用いた探究を、周りに急かされず、邪魔されず、自分のペースで行うことに喜びを感じる。
- このため、役割としては真理の探究に価値を見出す専門・研究分野が向いている。
- (事実、仕事のコツの整理や、システム共通化の理論構築などは満足度が大きく向上した)
- 逆に、論理的でない、ペースが決められない、周囲から否定されるような仕事は強いストレスを感じる。
- このため、役割としての全般管理(とりまとめ・マネジメント)やトラブル対応は不向き。これらは社内外のダイナミクスに合わせた調整力・行動力・胆力が強く求められるため。
- (事実、入社3年目・ITコンサル3年目・PMOコンサル3年目におけるチーム統括・部横断運営や、ITコンサル・PMOコンサル時の大型トラブル対応の社内調整は満足度が大きく低下した)
- 「地位や成功でなく、奉仕や貢献」
- 社内の昇進は一時的には嬉しいものの、それは「古い価値観(仕事に全力を尽くし、いかに早く昇進するかが大事)に縛られているだけ」と自分で気づけた。
- また、日系大企業は昇進に伴い、高度な社内政治・イレギュラーな対処などが増えるが、私自身はそこにやりがいや魅力を感じない。
- それよりも、小さくても良いので、直接誰かに貢献し、喜んでもらえることのほうが、深い満足を得られると気づけた。
- そもそも、マネープランが安定しており、収入と満足度の曲線は逓減(一定以上から、収入が増えても満足度は上がりづらくなる)で、人生を楽しく過ごす観点(健康・家族・貢献などのバランスが重要)などからも、自分のしたいようにすべきなのは明らか。
- 「指示や命令でなく、自律を促す」
- 会社命令で部下に何らか強制を促すのが、昔から非常に苦手であった。
- それよりも、個人の意志を尊重し、主体的に行動できるよう支援するほうが得意であった。
- よって、個人向けコンサルティングや職場改善の研究などは興味があるが、会社の目標に無理にコミットさせる管理は興味がない。
- 西脇さんの「エバンジェリストの仕事術」にある「部下育成に興味はあまりない。各々勝手にやればよろしい」という言葉が、非常に刺さった。
- 「ワークライフバランスの重視」
- 仕事のやりがいは大事だが、定時に帰るし休暇も取り、自分や家族と向き合いたい。
- 今までも、仕事が自分のペースで進み、定時に帰れているときは満足度が高く、逆の場合は低かった。
自己理解の深化(人生のテーマ)
- 私は、「熱意を持ち、シンプルな真理を探究し、貢献すること」が大事だ。自分の健康と家族との時間を大切に「専門・奉仕・自律・生活」を重視した仕事およびその準備をコツコツ行っていく。
- たとえば、困っている人に対して、お話を聞きながら、自分の知識や経験を用いて、アドバイスして、感謝してもらえる、小さな積み上げの仕事だ。また、そのために学び、理論を探求することも好きだ。
- 言い換えると、私は「論理を用いて、探求し、貢献すること」が好きだ。
- 論理とは「客観的かつ合理的なもの」、探求とは「自分の価値観や興味に沿うもの」、貢献とは「一人一人に寄り添う小さなもの」だ。(学生時代から哲学を好んだのも、皆が幸せになれるシンプルな解を見つけたかったからだし、コンピュータや倫理学を学んだのもその解に近いものを感じたからだ。)
- 例を挙げよう。例えばトラブル時のPMOマネジメントはこのテーマにそぐわない。なぜなら、論理的でなく(慣習・内向き・合議制)、探求でなく(最も無難な着地の折り合い。次へ繋がらない)、貢献でないからだ(相手が不在)。
- 一方、キャリアコンサルタントはこのテーマに合致する。論理的で(キャリアやカウンセリングの理論が多数)、探求であり(私自身の内省を促し、クライアントの内省も促す)、貢献だからだ。(一人一人に向きあう)
- また、データサイエンティストもこのテーマに合致する。論理的で(統計・コンピュータ)、探求であり(因果関係・相関関係の深堀)、貢献だからだ。(企業相手が多いだろうが、もちろん個人向けでもきわめて有用なスキル)
ライフキャリアの現状と課題・方策
- 純資産(土地・家屋・金融資産等)を一定以上保有しており、本業は継続予定(即ち、厚生年金と退職金が一定額以上見込める)で、夫婦ともに副業も検討(定年なし)するため、支出を適度に抑え、毎月の収支バランス(支出には子どもの学費を含む)を維持すればマネープランは将来にわたり安定の見込み。
- 数年後には両親共に70歳を超えるも、各々資産(健康・金融・友人関係等)を多く持つため介護の選択肢は比較的多い。
- 要注意なのは家庭。第一子と第二子の同時育児は(素晴らしいものだが)現実的にきわめて大変であり、妻が人間関係やキャリアに悩む時期でもある。
- よって「いかに私自身が余裕を持ち、家族といられる時間を増やすか」が重要となる。
- そこで、育児休業・育児時短・地域サポートなど国・地域・会社の制度を主体的にフル活用することが方策となる。
ワークキャリアの現状と課題・方策
- ワークキャリアについてはやりがい・将来性の面で課題がある。
- 日系大企業特有の業務の細分化・パターン化と現状維持の継続が、新しい領域(社外・外国・新技術)の経験・スキル不足を引き起こし、DX推進などにおいて「業務上の問題」を顕在化させていると感じる。
- 具体的には「不明確さ(ゴールや指示内容が曖昧で、何度も変わる)」、「不自由さ(タスクや時間に個人の裁量がなく、突発的に重要な相談・報告が発生したり、不定期な残業が発生する)」、「達成感や貢献の実感不足(社内調整や役員報告が主になり、計画そのものに集中できない)」などだ。
- それにより、「リモートに不向き」「世界で通用しない」業務になっている印象もある。
- 私自身も「価値が感じづらい仕事に長時間拘束される」ことに疲弊することがあり、これは解決すべき重要な課題である。
- そこで、足元の本業はやや縮小して継続しつつ、並行して自身が望むキャリアへ変えていくことが方策となる。
- ※この記述はあくまで「私個人の見方」であり、主語を広げるつもりはない旨ご了承願いたい。
キャリアビジョンイメージ
約1年半後
- 2024年4月。長女が地元の小学校に入学。このとき私は小さいながらも副業を始めている。
- 2023年3月にキャリアコンサルタント資格を受験し、合格。※1
- 合格後すぐに活動を始め、その後会社に相談のうえ、土日いずれかの「スポットキャリアコンサル」を実施。※2
- 本業は育児時短制度(1日6時間勤務)や、転勤免除制度を用いて家族との時間を確保。※3
- 従来どおりのITコンサル・PMOコンサルは規模縮小し、ルーチン業務中心に無理なく継続。※4
- 並行してデータサイエンティストの学びを深め、キャリアビジョンを明確にして社内外に宣言。※5
- ※1 本資格は年3回(3月,7月,11月)の受験。学科と実技があり、片方づつ合格も可。2023年中には合格を狙う。
- ※2 最初は「キャリコンブースにおけるキャリアコンサルティング」などのスポット支援活動で知識・スキルの定着を図る。(これは、キャリコン団体に登録することで情報が得られる。プロボノNPOなどの手もあるが、信頼性と確実性から前者を選択)
- ※2’ 続けて大学のキャリア・センターで週2~3日など働くことを想定。スモールスタートの観点から、まずは個人事業主としての申請はせず、年間所得20万の範囲で実施。
- ※2” キャリコンが天職だと感じられたなら、技能士検定など更に学びを深めることも検討。
- ※3 転勤したとしても、現在の住まいから通勤できることが最重要。
- ※3’ これは、育児上の理由(長女の小学校、次女の保育園変更は子どもへのストレスが大きい)、介護上の理由(近隣に住む両親がともに70歳を超える)、経済上の理由(引っ越し先が社宅であったとしても家賃は発生し、支出増。現在の住まいを貸すこともすぐには困難)などによる。
- ※3” このため、会社へは上司を通じ、育児や介護を理由として東京勤務を強く希望する。もし勤務免除制度やそれに近しいもの(役職変更も有り)があれば使用。
- ※3”’ 育介法26条により育児・介護の状況に配慮することが定められているので、これで問題はないと思うが、それでも万が一東京以外への異動発生の場合、リモートワーク勤務を増やすなどの工夫を、第三者機関にも相談のうえ遂行。
- ※4 上述の「自己理解の深化(より具体的に)」を踏まえると、「自分のペースで、自分の範疇でのみ仕事を行う。慣れてきたと思っても、全般管理やトラブル対応は挑戦しない。興味・価値観的に向いていないので」「それより、強みを活かし専門的学びを深め、その領域で一目置かれ好きなように仕事ができるようにする」は大事なポイント。20年ほどの勤続経験と、見える化・内省・語り・フィードバックを経てようやく気づきに至った。自分に合った環境で活躍するため、自分を知り、環境を選択していくことを。
- ※4’ 具体的には、育児時短(もしくは、時間外労働無し)を申請して時間外労働をブロックしつつ、「小~中規模案件の管理や、研究分野」などを優先して配分してもらう。これらと並行して専門・興味分野の学びを深める。また、育介法による子の看護休暇についても、有給であればぜひ利用する。
- ※4 いわゆる「日系大企業における“システム何でも屋”(主に社内調整と火消し)を経た、社内昇進」からは一歩身を引く(人事面談においても、より上位の管理職への挑戦意志は無いことを明言)。これは、やりがい・将来性・ストレスの観点から。
- ※5 上述の”ワークキャリアの課題”を踏まえ「やりたくないこと」が明確になった。それを元に考えた「やりたいこと」がデータサイエンティストとキャリアコンサルタントであった。
- ※5’ まずデータサイエンティストは「論理を用いた探求と貢献」であり、「明確な職務内容」「リモートワーク向き」「世界にも通用する」などから、価値観・興味・キャリアビジョンとマッチする。
- ※5” 次にキャリアコンサルタントは「シンプルな本質の見立てによる、解決に向けた支援」であり、「貢献の実感が高い」「リモートワーク向き」「副業向き」などから、同様に価値観・興味・キャリアビジョンとマッチする。
- ※5”’ 社内用、社外用の名刺には資格もしっかり記述し、社内外のパートナーに知識と経験(できればビジョンも)をアピールする。コミュニティとネットワークはこれからとても重要になる。(視野を広げ、経済的安定をもたらし、人生を楽しくする)
約3年後
- 2025年10月。副業がある程度軌道にのり、個人事業主としての仕事を始めている。
- 会社側にも変化有り。週休3日制の選択的導入や、副業の全面解禁など。※1
- これをふまえ、徐々に「本業と副業を5:5に」の実現に移る。
- 本業においては、開発の勘所、データ分析、キャリア形成支援に強いITコンサルとして「筋の良いIT戦略・キャリア形成支援戦略の立案サポート」を実施。※2
- 副業においては、IT領域、ワークライフバランスに強いキャリアコンサルとして「個人向けのITキャリア形成支援」や「企業向けのITキャリア形成支援戦略の立案サポート」を実施 ※3
- ※1 現時点では完全に予測であるが、”より柔軟な働き方が選択できる”方向に行くことはほぼ間違いないと思われる。
- ※1’ 国は働き手の増加が見込め、企業は人件費の固定部分削減と社員の流動性向上による生産性アップが見込め、社員は様々な働き方をミックスした多彩なキャリア実現が見込め…とそれぞれにメリットが大きいからだ。
- ※1” 2022年10月現在の閉塞感(超円安と景気後退)を打破するため、この方向は後押しされるだろう。
- ※2 「開発の勘所」とは上述の「IT戦略の企画・推進、プロジェクトマネジメント、システム開発・設計における一定以上の実務経験(20年)と知識・スキル(国家資格)」から得た観点のこと。これを活かすことで戦略はより現実味を増し、成功確率が格段に上がる。
- ※2’ 「データ分析」はデータサイエンティストとしての学びと実績によるもの。これからのIT戦略の主戦場は、SaaSやIaaSの台頭により、アプリ・インフラの開発・工夫から、データ利活用に推移していく想定。よってデータ利活用分野での知識と経験は戦略の幅を大きく広げる。
- ※2” 「キャリア形成支援」はキャリアコンサルタントとしての学びと実績によるもの。組織もプロジェクトも肝は”人”なので、短期的なメンバーの状況把握から、中長期的な能力開発までサポートすることで、生産性向上に大きく寄与する。
- ※3 「IT領域」とは本業における知識と経験、「ワークライフバランス」とは自身が重視・実践する「育児と仕事・学びの両立」のこと。
- ※3’ また、自身の学びと経験を整理し見える化するため、電子書籍も発行。具体的には「本業を通じて得た最先端ITの勘所」×「個人向けキャリコンを通じて得たリアルなユーザニーズ」×「育児と仕事・学びの両立のリアル」の3つを掛け算した『育児や介護と両立しながらのITキャリア形成に役立つ情報』など。
- ※3” 上述の”より柔軟な働き方”の促進と、更なるIT技術の浸透により、ITキャリコンのニーズは確実に高まると予測。本業・副業・育児介護のそれぞれに集中することで、3つの掛け算領域は広がり、私だけの希少性に繋がる。
約5年後
- 2027年10月。次女の小学校入学。本業・副業の掛け算が軌道に乗り、マルチな活躍を実現。
- アメリカなど外国向けのセミナーや事業を展開。(日本一国だけの依存はリスクが高く、純粋に世界全体で仕事をした方が面白そうなので)
- この活動を行ううえで役立ったのは、データサイエンティスト・キャリアコンルタント・ITストラテジスト協会など各種コミュニティの参加によるネットワーク。自分のできる範囲でセミナーの手伝いなどボランティアで行ううち、活動の一環で必要に迫られ英語を学ぶことに。
- 結果として視野が広がり、本業・副業がますます楽しくなる。以降、「無理せず程々に、楽しく働く」基盤の構築が見える。
(本題)今後の学習計画
2023年3月 キャリアコンサルタント
- まずは2023年3月のキャリアコンサルタント資格に向けた学習が最優先となる。
- これはいくつか理由がある。
- ①試験に確実に合格するため。当然ながら学習時間が多いほど、合格率は高まる。
- ②自分のキャリアプランを構築するため。学びを経て自己理解・職業理解が進めば、キャリコン以外の学びの選択肢は変わるかもしれない。
- ③合格後の準備のため。スポットキャリコン支援にせよ、プロボノ活動にせよ、準備は必要。個人事業主として起業するなら名刺などの準備も必要になる。
- ④金銭面の理由。講座の修了と本試験合格により、専門実践教育訓練給付金を確実に受領したい(支払った講座費用40万の約7割)。
- ⑤副業面の理由。当該資格の取得は「自分らしい働き方」「副業」の第一歩であり、大事なプロセス。
- ⑥キャリア形成面の理由。当該資格は「傾聴」「キャリア形成支援」が学べ、これは汎用スキルとして最重要と認識。
- ⑦学びの面白さ。元々マネープランやライフプラン、生きがいや幸せについて考えるのが好きであった。よってキャリコンの学びは本当に面白く、深堀したくなる。(過去の資格取得に向けた学習と比較すると、はるかにイキイキしているのが自分でも分かる)
- また、2023年3月までは原則キャリアコンサルタント資格の学びに集中し、仮に合格できればその後すぐに活動を開始したい。
- これは、10月15日に面接試験のロープレを行う中で、大きな気づきを複数得たため。
- たとえば「”指示・命令”から”個を尊重”への発想の転換」だ。従来はキャリアといえば”会社主導”の印象が強かったが、現代では”自分で作るもの”という風潮が高まっているように感じる。そこにおいて「自己理解」「仕事理解」「傾聴」などのスキルは大事だ。
- しかし、言葉で語るのと、キャリア面接という演習で先生から直接指導を受けるのでは、全く気づきの濃度が変わってくる。
- そして、いま演習を通じ学んでいることは”一生モノ”であり、とても大事な”信念”かと直感しているので、今はこの学びに集中しようと考える次第だ。
- なお、学ぶなかで「自己理解」も進み、やってみたいことが湯水のように湧いてくるのだが、それは我慢して取っておくこととしたい。
- そこで、10月18日までの間に、合格に向けた具体的な計画を立てる。(リンク先)
- まず、本試験の概要(目的・合格者像等)・出題傾向(過去問等)・効率的な学習方法を確認。
- 次に、「毎日少しづつ」学習。特に実技はトレーニングなので習慣化が必須。
- また、「2022年12月の指定講座修了」は受験資格を得るため必須であり、これも計画化が必要。
- そのうえで、2022年1月~3月は本試験に向けた模擬試験や講座など、リカレント様のサービスを最大限活用。
- もし不合格だった場合、2023年7月、11月に再受験。2023年中取得を目指す。
- なお、副業に向けた準備はあまり必要ない認識だが、「大人の週末起業」など関連書籍数冊で学び、会社とも相談のうえ進めていく。これは資格取得後。
データサイエンティストとしての学び(SQL)
- いまはSQLを触るのが本当に楽しいので、せっかくだからまだ体が覚えているうちに関連資格を取得したい。
- 具体的にはオラクルマスターシルバーSQL。
- 少し調べた結果をログとして残す。「「SQL 資格」で調べると必ず挙がってくる」「DBAとSQLがある」「シルバー以上はある程度の知識の証明となる」「2020年に新体系となり、SQL専門が登場」「Global 資格である Oracle Database SQL Certified Associate に同時認定」「受験料は約3万。再受験時無料サービスは現在行っていない」「オンラインでいつでも受験可」「教材はいわゆる黒本がベースで、そのほかいくつか参考教材がある」(「オラクルマスターシルバーSQL 学習時間」でgoogle検索し、上位3サイトを参照させていただいた)
- 結果として受験を決意。これは以下理由による。
- 純粋にSQLを触るのが楽しいので。コツコツ積み上げ、考え、試行錯誤し、すぐフィードバックする行為は知的興奮をもたらしてくれる。
- 丁度いま実施している「1日1問のSQLドリル」があと70問ほどであり、年末にはネタ切れしてしまうので。
- 実務者向けの専門性を高めたいので。なおDBAでなくSQLな理由は、「DBAはオラクルの実装なのでクセがあり、ブロンズからやらないと厳しいレベルで学習に時間がかかる」「実務でオラクル構築するかは不明な一方、アプリ開発やデータ分析ではSQLを必ず使う」。要は「やってて面白く、将来も使いそうで、合格の目が高い方を選択」ということ。
- 前述のとおり年末まではキャリアコンサルタントに集中し、1日1問のSQLドリルは継続。
- それ以降は、データサイエンティストとして包括的に学ぶ方向もある。キャリコンの学びを最大限活用(職業情報の収集)し、具体的目標と方策を模索していく。
- たとえば、「オラクルマスターシルバーSQLの学習を黒本ベースで始める(ただし目的はSQLの継続であるため、受験はキャリアコンサルタント後に十分実力が伴った時に)」「統計検定の学習を始める」「pythonの学習を始める」「統計・エンジニアリング・ビジネスの3つを複合し、付加価値を作る一連の動きをコンペや副業で実践する」などだ。
- これらを踏まえると、Google認定資格を4月以降頃に集中して学ぶというのは多いにあり。(月額課金なので、キャリコンの合格を確認してからが妥当。本資格はデータサイエンティストに係る包括的かつ実践的な学びを、オンラインで、安価で得られる)
- その証明を元に社内で手を上げておきつつ、副業で実践を積むのが良いだろう。(現在の「IT企画・プロマネ・システム設計・開発の知識・経験」という「簡単には廃れない基礎の部分」の上に、データ分析という興味かつトレンドの強みを乗せていくイメージ)
情報収集・計画の調整
第210回臨時国会
- 今年10月3日の第210回臨時国会について、私なりの解釈とタスクを整理。
- ①円安・不景気による物価上昇への対策は、電気代の抑制等と、人への投資による賃上げサイクル構築。
- ②そのために5年間で1兆円規模のリスキリング支援投資
- ③また、新しい働き方に対応するため、個人がフリーランスとして、安定的に働ける環境を構築。
- ※その他、安全保障やスタートアップ支援など。
- ⇒「リスキリング(成長分野に移動するための学び直しへの支援策の整備や、年功制の職能給から、日本に合った職務給への移行など、企業間、産業間での労働移動円滑化に向けた指針)を、来年六月までに取りまとめます」とのことなので、このタイミング(来年6月)でハローワークなどに問い合わせ、具体的な支援ラインアップを確認・活用したい。
東京しごとセンター
- キャリアコンサルタントの学びの一環で、職業価値観・興味検査の「キャリアインサイト」を実際に体験しようと思ったのがきっかけ。
- ハローワークに問い合わせたところ、「自分のやりたいことは何か」「どんな職業があるのか」「どのような働き方を選択肢とし、そこに向けてどうしていくか」の総合相談として「東京しごとセンター」を紹介いただく。
- 東京しごとセンターは東京都が設置した、相談から就職まで一貫した「しごとに関するワンストップサービスセンター」。
- 年齢層や状況ごとにフロアが分かれており、専任のアドバイザーの方と二人三脚で各種相談・プログラムやセミナー受講・情報収集などが無料で行える。
- 私も2022年10月に実際に訪問。まず初回コンサルとして現在の悩みや考えを丁寧に聞いてもらえる。
- 私は上述の「現在のワークキャリアに課題があり」「本業と副業を5:5にする方向で」「キャリアビジョンを再構築し、現在学び中」であることを伝え、全面的に肯定いただきつつ、アドバイスや今後の情報提供方針を提案頂いた。
- 有益な情報は、たとえば以下のとおり。
- ①専門的な相談。起業・創業相談(中小企業診断士の先生がご担当)、社会保険相談(社労士の先生がご担当)など。
- ②キャリアに関するセミナーやグループワーク。キャリア形成、マネープラン形成、具体的な就活サポートなど。
- ③自己理解を深める検査とコンサルティング。信頼性・客観性が担保されているツールで検査し、その結果についてコンサルティングが受けられる。(私自身は日本版O-NETで検査したうえで、ピアトレーニングを行ったのだが、ツールを元に相談することは自分自身について多くの気づきが得られ、極めて有効)
- ④女性活躍のための各種相談。セミナーや就職支援はもちろん、受講中の託児サービスまであり。
- ⑤申込制のキャリアコンサルティング。オンラインでのサービスもどんどん拡充している。
- このように、「プロに相談し、有益な情報も得て、時に仲間と繋がり、自分らしいキャリアを形成していく」には極めて有用な場所だと認識した。
- 私自身は、直近はキャリアコンサルタントの学びに集中するが、3月本試験終了後、これからのキャリアを再度検討するなかで、起業・創業相談、自己理解検査、それを元にしたキャリアコンサルティングをぜひ利用したいと考えている。
- また、妻も「育児でブランクがあり、仕事の再開に不安」「同じような境遇の仲間が近くにおらず、話し相手が欲しい」「娘を預けつつ活動できれば、非常にありがたい」などの不安やニーズがあるので、ぜひ一度サービス活用を薦めてみようと思う。
10月29日キャリアコンサルタント実習をふまえた気づき
- キャリアコンサルタントのロールプレイング実習を複数回行うなかで、多くの学びと気づきを得た。
- まず学びは、「かかわり行動(傾聴の技法)による信頼感の醸成は、一貫して大事」や「初回面談の冒頭においては、感情表現を繰り返し、共感の姿勢で、できるだけ相手に委ねることが大事」などだ。
- これらは「傾聴」として日常でも練習できるので、ぜひ実践していきたい。
- それにより、たとえば休憩時間にメンバーと会話する中でも、興味がある資格や過去のご経験など色々お話が伺えて、本当に面白いと感じている。
- 次に気づきは「自分にキャリアコンサルタントは向いているかもしれない」という事だ。
- なぜなら、私の人生のテーマと深く一致しており(上述)、学習も実践も心から楽しいと感じられているからだ。
- たとえば学習では、能力開発基本調査や、サビカスの自己構成理論など、インスピレーションが次々に沸き、知識と知識が繋がっていき、もっと学びたい、という意欲が自然と湧いてくる。
- また、たとえば実践では、メンバーとの面談ロープレにおいて「悩みが解決し、前向きになれた」「とても親身に聞いてくれて、話しやすかった」「自己肯定感が上がった」など感謝してくれているのが伝わり、とてもやりがいを感じられた。
- さらに、自分のキャリアビジョンについても深堀がなされ、たとえば「マネープランを把握されていない方は意外と多いので、自分の知識と興味が活かせるかもしれない」「企業に働きかけるなら、社労士も良いかもしれない」「家族の協力あってこそなので、チームとして二人三脚でやっていきたい」などだ。
11月5日キャリアコンサルタント実習をふまえた気づき
- 変化の激しい「自己責任・自律の時代」の到来。
- キャリコンのニーズは益々高まる。私は次の支援活動を行う。(ビジョンを持つことで、プランも見えてくる)
- ①はじめは個人のキャリコン。一人でやってみる。
- その際気を付けたいのは、まず倫理(対人援助職として、自分一人でも気づけねばならない)。
- 次にステレオタイプにならないこと(良く妻がそのような物言いをされてカチーンと来ている)。
- そしてそのためにも、数字(統計情報)・ヨコ(海外の事例)・代表的な理論や、各種ツールの知識深掘り、ネットワークの形成とコミュニティの参加など通じて視野を広く持つ。
- 実務においては、実習で学んだカウンセリング技法(受容・共感・一致)をベースに、たとえば「労働者等のキャリア形成における課題に応じたキャリアコンサルティング技法の開発に関する調査・研究事業」の各種ツールを用いる。
- ②次は、企業内キャリコン。個人でも自己研鑽とネットワークをもってアジャイル的に活動。その知見を企業にも活かす。
- ③副次効果として、人間関係が円滑になることも期待できる。
- ④ただし、セルフケアもしっかり行う必要がある。瞑想やアサーティブ・適度な運動など。
キャリアコンサルタント学習を通じた気づきサマリー
- 令和4年版「労働経済の分析」によれば、人手不足解消や労働生産性向上のため、IT業界等への労働移動の必要性が示唆されている。大手テック企業の大量解雇は他人事ではない。私の目指す「ITキャリアコンサルタント」は、これからの日本社会にとっても、私自身にとっても必要なものだと言えそうだ。(リンク先)
- 「全体の数値(完全失業率や有効求人倍率など)は安定していても、個の実態は不幸(薄給・不安定・やりがいがない仕事をかけもち)」とならないよう、個の生存戦略がより一層重要になると感じた。私はITキャリアコンサルタントとして本業・副業の両方で臨むキャリアを積めるよう主体的に動く。(リンク先)
- 先行き不透明な社会で”使い潰されない”ためには、意志・信頼・専門性、そして各種制度を知り、使う”したたかさ”が大事と考えられる。(リンク先)
- 「大きな流れと国・企業の意図を把握し」、「個人への影響と対処・活用法を検討・実施」できるように、有資格者コミュニティなど信頼できる筋からの情報は必ず確認し、要点を抑えるようにしてきたい。(リンク先)
参考資料
- 2022年度版 ALL IN ONE パーフェクトマスター データベーススペシャリスト/TAC
- データベーススペシャリスト2022年版/ITのプロ46 三好康之/翔泳社
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