この記事の目的
- 「仕事がやや憂うつと感じる30代・40代会社員」のかた向けに
- 「定時に帰り、自分らしく生きるためのヒント」を
- 「定時帰りを実践し、育児と研鑽を両立中」の経験から説明します。
定時に帰るために、覚えておきたい考え方
定時帰りは会社にとっても良いことが多い
定時に帰ることは会社にとっても良いこと(メリット)が多いです。
一般的には、以下のような良いことが考えられます。
- 残業代を払わなくてよい(カネ)
- 新しい考え方が生まれる可能性がある(アイデア)
- 新入社員が多く集まる(ヒト)
- 法律違反となる可能性が低くなる(コンプラ)
「残業代を払わなくてよい」はそのままですね。定時に帰るので残業代は発生しません。
「新しい考え方」ですが、これは社員が定時に帰り自分の時間をもつことで、新しい考え方(イノベーション)が生まれやすくなるということです。
「新入社員が多く集まる」のは当然で、いわゆるワークライフバランス(仕事と生活の両立)が良い会社のほうが魅力がありますよね。
育児・介護・病気など色々な事情をもっているのが普通なので、時間的な制約が緩いほうが多くの人が働きやすいことになります。
「法律違反となる可能性が低くなる」のもわかりやすいですね。
法律で労働時間は決められているので、会社は残業が多い社員の方に気を付けます。
しかし定時帰りをルールにしている社員は、その心配が不要となるのです。
定時帰りは自分にとっても良いことが多い
定時に帰ることは自分にとっても良いこと(メリット)が多いです。
一般的には、以下のような良いことが考えられます。
- 生活の時間を持てる
- 心と体のバランスが保てる
まず「生活の時間を持てる」のは、定時に帰ることでそのぶんやれることが増えるということです。
例えば家族との時間を持ったり、自分の趣味に使ったり、勉強をしたりなど、生活の幅がぐっと広がることになります。
その経験が活かされ、仕事の質が上がることもあります。
例えば趣味の読書で得た内容を、仕事で実践してみたりなどです。
また、例えば育児の中でわかりやすい伝え方を学び、仕事の話し方にも使ってみるなどです。
次に「心と体のバランスが保てる」のは、運動や睡眠時間を確保できるようになるためです。
長い時間働いていると、だんだん効率も落ちてきて心も体も疲れてきます。
決まった時間に集中して仕事を終わらせ、自分の時間を持ってリフレッシュして良く寝る。
こうなると自信のやる気と生産性も上がってきて、「やりたいこと」に色々チャンレジできるようになります。
会社と自分のために定時に帰るという考え方
定時帰りは会社にとっては「費用は安くなり、仕事のクオリティも上がり、会社のイメージも良くなる」と良いことづくめです。
個人にとっても自分らしく生き、自分の身を守るためにも必要なことです。
つまり会社と自分のために定時に帰るという考え方です。
決して後ろめたいことではありません。
ただ、実際は「仕事が終わらない」「他の人に気を遣う」「残業代がなくなるのは厳しい」などいくつか問題があると思います。
「仕事が終わらない」「他の人に気を遣う」を解決するには、「やるべきことをやりきる」必要があります。
やるべきことを見つける
会社のやりたいことを知る
会社のやりたいことは、大きくは「社会に貢献する」「利益を上げる」ことかと思います。
ただ、どちらをより大事にするかは会社によって違います。
また、どのフィールドでどんな強みを活かして戦うかも違います。
戦いかたも、攻めるか慎重か、争うか協力するか、色々あります。
このような会社のやりたいことと、やり方を大まかにでも知ることは重要です。
なぜなら、それが仕事で求められることだからです。
例えば、銀行を例にしてみましょう。
比較的手広いフィールドで、規模や信頼を強みに戦っています。
戦い方は慎重で、どちらかと言えば協力するタイプでしょう。
この銀行では「多少失敗しても攻める」のと「慎重に検討して進める」のと、どちらの仕事が求められるでしょうか。
どちらと言えば後者だと思いませんか。
自分のやりたいことを知る
多くの人のやりたいことは、以下のようなものかと思います。
- 生きていくために必要なものが欲しい(食事、睡眠など)
- 自分のためになるものが欲しい(娯楽、趣味、成長など)
- みんなのために役立ちたい、褒めてほしい
自分のやりたいことが主にどれなのか知ることは重要です。
なぜなら、やりたいことのためなら頑張れるからです。
また、やりたいことは自然とやっているので、やれることも多いです。
例えば、私の場合は「みんなのために役立ちたい」がやや強いです。
なるべく喜んでもらえるように、ご迷惑をかけないように…
そのため、とくにシステム開発において「失敗しないようにどう計画を立てるか」「立てた計画をどううまく進めるか」を長年実践してきました。
また、関連する資格を取得してきました。
それが自分の幸せと、充実した生き方につながると思っています。(ですので、「自分のため」「生きていくため」でもあるのですが)
二つがなるべく重なるところを見つける
会社がやりたいこと(望んでいること)と、自分のやりたいこと(やれること)がなるべく重なるところを見つけましょう。
それが「やるべきこと」です。
最初は大まかで十分だと思います。
なぜなら、会社も自分もやりたいことは常に変わるからです。
ただ、それをぼんやりとでも考えていると、仕事の優先度と重要度が見えてきます。
そうなると、どの仕事にどれくらい時間をかけるべきか、自分で考えることができるのです。
とくに、仕事のサイズが大きいほどこの効果は大きいです。
例えば、私の場合は「会社が堅実・慎重に事業を広げられるよう、できるだけ失敗しない計画作りと実行をサポートする」のようなイメージです。
「会社のことも、自分のこともよくわからないけれど、お金を稼ぐために毎日選り好みせず仕事しています」というのももちろんアリだとは思います。
私もそのような時期がありました。
ただ、総合職のような「なんでもあり」の仕事だと、終わらないんですよね…
また、「この仕事は本当に会社の役に立っているのか?」「この仕事は本当に自分のやりたいことなのか?」と疑問もわいてしまいます。
ですので、できれば会社と自分のやりたいことが重なるところを見つけた方が、お互いにとってよいのではないかと思うのです。
場合によっては家族より長い時間を会社で過ごすことになるわけですから、どうせなら喜んでもらいたいですよね。
例えですが、好きな人のために「どうしたら喜んでもらえるだろう」と考えている時間は素敵なものだと思います。
さて、それでは「やるべきこと」が見えてきたあと、実際に仕事を進めるうえで効率的なやり方は何か。
仕事の段取り
はじめる(目的をはっきりする)
当たり前ですが、始めなければ仕事は進みません。
気が乗らなかったりしてつい後回しにすると、後がきつくなってしまいます。
そこで、やるべき仕事なら「まずはすぐとりかかる」のがおすすめです。
この時のコツとして、「目的をはっきりすること」があります。
それは、目的がはっきりしていると戻りが少なくなり、結果として早く効率的だからです。
ここで「目的」について捕捉します。
たいへん良く使われる例えですが、「お客がドリルを買う」のは「穴を掘るため」です。
仕事で資料作成を依頼されたとして、これは手段(ドリル)です。
それを使って何をしたいのか?これが目的(穴を掘る)です。
「わかりやすく役員に説明したい」のか、「お客様にお詫びをしたい」のか。
それによってスピード感や力の入れ具合が変わります。
仕事の依頼を受けたとき、目的がわからなければ教えてもらうのが重要です。
面倒と感じるでしょうか。
ただ、会社員でも、独立しても商売の本質は「誰に」「どんな価値を」「他より高く」提供するのかだと思います。
普段から練習することで、だんだんと慣れてくるものです。
つづける(やることを小さく分ける)
次に、はじめたあとの継続が大切です。
少しづつでも前に進めると、周囲の協力が得られやすくなります。
逆に少しでも止めてしまうと、遅れてから周囲に相談しても「遅い」と言われてしまいます。
コツとして「小さなタスクに分ける」のをおすすめします。
なぜなら、「これくらいならできるかも」と取り組みやすいためです。
また、小分けにしたタスクはそのままタスクリストになります。
作業の漏れが防げるうえ、やってるうちにイメージがわいてくるのです。
ふりかえる(途中ゴールで確認する)
最後に小さい目標設定と振り返りが大事です。
ゴールを設定し、達成すると達成感がわいています。
また、「気づいたら全く進んでいなかった…」も防げます。
なお、振り返りの際に遅れがあったら、なぜなのか簡単に確認することをおすすめします。
次に活かすことができるからです。
振り返りの際は、以下のようにパターンごとに打ち手が変わることにも注意ください。
- 計画は問題なかったが時間や力が足りなかった⇒時間や力の配分を見直す
- そもそも計画に無理があった⇒計画自体を見直す
- 全く想定外のことがおこった⇒リスクと対策を強化する
さて、このように段取りを立てたあとは「今週やること」「今日やること」と進めていくことになります。
週単位の仕事の進め方
来週までの予定を入れておく
次に立てた段取りにそって、週単位で進める際のポイントを説明します。
タスクは今週だけでなく来週分まで予定にいれておくことをおすすめします。
予定を考えてみると「この日はメンバーが休み」「この日は時間がきつそう」など見えてくるからです。
最初は大まかでも問題ありません。
周囲をまきこむ
来週までの予定を入れるようにすると、他の人の予定を仮おさえできます。
こうするといざ相談したいときに「時間がいっぱいで無理」となりません。
結果としてある程度自分のペースで進めることができます。
言い換えれば仕事の主導権・裁量権を握れるのです。
シュミレートする
入れた予定のうち、ミーティングについては事前のシュミレートをおすすめします。
どのような目的で、誰に何をどのように話すのか?
想像するなかで足りないパーツが見えてきて、直前で焦ることを防げるからです。
例えば、役員向けの重要な会議資料を上司に見せる場合です。
資料そのものはもちろん「どのような順で誰が話すのか」「役員に質問をうけたときどう返すか」など考えると、例えばアジェンダや想定問答集も必要だと気付きます。
いかがでしょうか。
週単位でも少しの工夫で、自分らしく働けることがお分かりになったかと思います。
日単位の仕事の進め方
前日にタスクを決めておく
まずは前の日にやるべきことを簡単に整理することをおすすめします。
それをスケジュールの作業時間として入れておくのです。
こうすることで、不安が少なくなり、すっきり眠れます。
そして当日の朝にタスクを再確認します。
こうすることで、すぐに仕事にとりかかることができます。
予備時間をつくる
スケジュールを配置する際は、予備時間を入れておくことをおすすめします。
私は朝の1時間と、定時前の1時間を予備時間として確保しています。
朝は主に、前日定時以降のメールを確認する時間にあてます。
定時前の1時間はあくまで予備とし、16時を終了目安にしています。
これは、万が一のタスクが発生しても定時には帰れるようにするためです。
集中するためのテクニックを使う
スケジュールを決めたらあとは順に作業にとりかかります。
この際、集中するためのテクニックをいくつかご紹介します。
- はじめに超簡単なことからとりかかる。体のエンジンがかかりやすい
- 午前中は集中できるタスクをおこなう。頭がよく働く時間帯なので
- コーヒーを有効活用。科学的にも効用が裏付けされている
- 昼寝。15分の昼寝が午後の効率をあげる
- 午後は比較的単純な作業を。どうしてもやや効率は落ちるので
いかがでしょうか。
日単位でも少しの工夫で、効率よく働けることがお分かりになったかと思います。
今までのまとめと、より具体的な実践の仕方
自分で考えてシフトする
残業が当たり前の生活が続くと、なかなか変えられないものです。
私もかつては残業が当たり前で、それを普通と考えていました。
今だからわかりますが、以下のようなマイナスのループに入っていたと思います。
- 自分に自信がないため、指示を待ち、周囲を気遣い、リスクを回避する
- 仕事が後手に回り、自分の裁量がなくなり、叱られることが増える
- 残業が増え、心身ともに疲労してしまう。1へ戻る
そのような状態から定時に帰る生活にシフトするにはきっかけが必要です。
私の場合は「結婚」と「娘の誕生」が主なきっかけでした。
家族との時間を作り、自分の健康も維持するという前向きなモチベーションがわいたのです。
きっかけは人それぞれですが、ここで重要なのは「自分で考えて」シフトすることだと思います。
なぜなら、今までの生活を大きく変えるには、「自分で決めた」事実が必要になるためです。
この点を補足するため、「生活」を「家」に例えてみましょう。
今まで建っていた古い家を取り壊し、いちから新しい家を建てるイメージを想像してみてください。
新しい家の土台がしっかりしていないと、少しの災害で家は崩れてしまいます。
しかし、まず土地を良く見つめ、適した土台をしっかり整えれば、新しい家は強固になります。
「土地」とは「あなた自身」、「土台」とは「自分で考えること」です。
つまり、「きっかけは何であれ、あなた自身が本当に望むことを、ご自身で考え決めること、それが新しい生活の基本」ということです。
もちろん体調不良や人間関係の問題で、立ち止まったり悩むことはあると思います。
しかし、方向が正しければ着実に前に進めるのです。
周囲への根回しをおこなう
さて、定時に帰る生活にシフトすると決めたあとは周囲への根回しと説明が必要です。
まだまだ「残業は当たり前」と考える会社・人は多いためです。
それでは周囲への根回しと説明は具体的にどのようにするのでしょうか。
一般的には、根回しの開始はなるべく早い段階がおすすめです。
例えば来年の4月から定時帰りを定着させたい場合、半年くらい前の10月頃から上司との面談などで相談をもちかけるのです。
そうすると、会社が事前に準備・検討することができ、しこりが少なくなります。
また、根回しの際の説明は「正当な理由」で「会社にもメリットがある」点を強調します。
例えば私は以下のように説明しました。
- 娘の出産により妻が心身共に大変な時期なので、定時に帰り家族を支えたい
- 今しかない貴重な家族との時間を大切にしたいので、定時帰りを継続したい
- 万が一私が今までどおり残業すると、私自身も妻も体調を崩し、結果として会社にご迷惑をおかけすることになる
- 私自身が長く、健やかに、生産性高く成果を上げるため、なにとぞご了承いただきたい
この他にも、定時帰りがもたらすメリットについてエビデンス(根拠)を集めました。
根拠が多く、自分の中で整理されることで、より説明が説得力を増すと考えたからです。
前向きに取り組む
最後に、根回しと説明を十分に行ったあとは「やるべきこと」をやりきるのみです。
お気づきかもしれませんが、「定時に帰る」と自分で決めた時点で、すでに働き方が受け身でなく能動的になっているのです。
「やるべきこと」をやりきるコツは大項目2~5にわけて解説しておりますが、一貫して先手・能動的・前向きなアクションです。
ただし、周囲への感謝と配慮を常に表すことは重要なポイントです。
これは、会社で働く以上は連携・協力は不可欠ですし、不測の事態はどうしても発生するからです。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
以上で「定時に帰る効率的な仕事術」は終了となります。
これからも必要に応じてコツやヒントを掲載していければと思います。
なお、こちらの記事を書くにあたり参考になった書籍を以下にまとめております。
皆様からフィードバックをいただき、日々少しづつでも前に進めれば幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
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